梅雨に入る前の6月ー樹々の新緑が出揃い、緑が徐々にその色数を増していく季節。
たくさんの花々も負けじと咲き誇り、遊歩道を行きかう人々の足を止めます。
その中でも、いま湿原をオレンジ色に彩るレンゲツツジを紹介しない手はありません。
上高地では田代湿原と岳沢湿原に咲きます。
今がまさに、見頃です。
レンゲツツジを愛でながらの木道歩き、楽しいです。
そして足元には小さな花々が・・・
こちらはエゾムラサキです。
小指の先ほどの、丸っこくて、愛らしい小さな小さな花が付きます。
淡いピンクから瑠璃色に変わっていく様子も、観察していて飽きないですね。
こちらはタガソデソウ。
上高地では比較的多く見ることができますが、実は分布が限られている花です。
花びらに入った縦模様が美しさを際立たせています。
ナデシコ科の多年草です。
ゴゼンタチバナも咲いています。
苔むした木の根元にひっそりと、しかし確かな存在感を放ちつつ歩行者の足元を照らします。
針葉樹の森でしばしば群落を作っています。
ユキザサの葉は縦の葉脈がきれいです。その様子が笹に似ていることが名前の由来だそう。
花の様子も、なるほど雪の結晶のようです。
葉と共に「ユキザサ」という名前がピッタリです。
スタッフの楽しみのひとつに、葉っぱの観察があります。
クロクモソウの葉っぱ。
朝つゆに縁どられています。
オシダの葉っぱ。
放射状に伸びた長い葉の様子は迫力があります。
40㎝ほどの大きさになるヤグルマソウの葉っぱ。
若葉は金属光沢を帯びた赤色をしています。太陽に当たるとなおのこと美しいです。
6月の上高地も、自然の宝石があちこちに散らばっています。
さて、散策のお供にはこちらがオススメです。
『上高地の花ハンドブック 樹木図鑑×野草図鑑』著者:前田篤史
どんな植物が上高地に自生しているか・・・それが分かるとさらに散策が充実したものになるかと思います。
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