自然紹介 2024/08/23

鳴門公園を散歩してみませんか④(公園内の文学碑等あれこれ)

鳴門公園内には様々な文学碑が建てられており、鳴門海峡の素晴らしい景色を楽しみながら散策できます。
最終回は、孫崎展望台と相ケ浜の近くにある碑をご紹介します。


水原秋桜子の句碑

~潮群れて 青春海景 あらたまる~

秋桜子の「魚島紀行」によれば、「この日は折から風がないでいたため、海峡をこめた霧は動こうともしなかった」と記されています。孫崎のあたりは、淡路島の門崎と向き合い、白く波立つ渦潮を一望におさめる絶好の景勝地です。

※【水原秋桜子(1892~1981)】
 東京生まれ。虚子に俳句を学び、「ホトトギス」同人、のち「馬酔木」を主宰。


西山泊雲・野村泊月の兄弟句碑

~蜻蛉や さか落し来る 汐の上~ (泊雲)

~春の海を 傾け落す 鳴門か那~ (泊月)

この二句は、いずれも作者が鳴門観潮に来遊して作られたものです。
西山泊雲と野村泊月は、鳴門公園内に建てられた文学碑の詩人兄弟です。彼らの句碑は、鳴門の渦潮や美しい景色を讃えています。ぜひ散策してみてください!

※【西山泊雲(1877~1944)】
  本名は亮三で、兵庫県生まれ。
  弟の俳人野村泊月の紹介で高浜虚子に師事し、俳句の道を究めました。
  「泊雲」は「鳴門か那」と詠んだ句で、鳴門の渦潮を感じた作品です。
  また、「ホトトギス」沈滞期を代表する作家として知られています。

※【野村泊月(1882~1961)】
  兵庫県生まれで、西村白雲の実弟。
  関西にホトトギス俳句の種をまいた俳人で、「丹波二泊」とも呼ばれました。
  鳴門観潮に来遊して作られた句碑「蜻蛉や さか落し来る 汐の上」は彼の作品です。


これまで4回にわたって鳴門公園にある文学碑を紹介してまいりました。
夏の間は厳しかった公園の散歩もこれからは涼しい時期になりますので、ぜひ鳴門公園に来て素晴らしい景色とともに先人たちの詩をたどってみてください。


鳴門公園内の文学碑マップ(表)


鳴門公園内の文学碑マップ(裏)

新着ブログをもっと読む