第8回 野生動物写真コンテスト 入賞作品(平成27年度)

入賞作品が決定しました!

 今回のコンテストでは、全国から素晴らしい作品を多数ご応募いただきました。誠にありがとうございました。
 厳正な審査の結果、応募作品の中から選ばれた入賞作品を発表いたします。
 入賞者のお名前は、敬称を略させていただきました。


【総評】
 これまで野生動物写真コンテストの審査を行ってこられた田中光常先生が、ご高齢で体調を崩されたため、私がその大役を引き継がせて頂くことになりました。田中光常先生の足跡を汚すことの無いよう頑張らせて頂きますので、宜しくお願い致します。
 さて今回の「野生動物写真コンテスト・自然界に生きる野生動物たち」への応募総数は、470点、応募者数は146人と例年の三分の一ほどでした。これは広報の方法が例年と変わったためではないかと思われます。次回からはより多くの方々に知って頂き、素晴らしい作品が沢山応募されることを期待します。応募された作品を5名の審査員で審査致しました。選考規定で入賞は一人一作品と決まっています。中には一人で何枚もの素晴らしい作品を応募されているのを残念に思いながら一点に絞られました。
 動物のいいチャンスに巡り会うことは、写真の初心者、中級者、上級者に関係なくやってきます。せっかく出会ったいいチャンスを確実に写真にとらえられるように日頃からカメラ操作やピントのいい写真を写す練習をしておくことがとても大切です。そして多くの方の作品を見て構図などを勉強することもいい作品を作る上で重要です。
 次回も多くの方の素晴らしい作品を拝見できることを楽しみにしています。

動物写真家 浅尾 省五

| 最優秀賞・環境大臣賞 | 優秀賞 | 入選 | 子ども部門賞 | 佳作 |

最優秀賞・環境大臣賞(1点)

「稔りの秋、食欲の秋」(チュウサギ)

最優秀賞・環境大臣賞

「稔りの秋、食欲の秋」(チュウサギ)
撮影地:栃木県真岡市
撮影者:鶴見 直也

<講評>
構図、形、色、ピント、タイミング、いずれを取ってもとてもいい写真です。画面全体がシンプルで、餌のカエルを捕らえたチュウサギの得意そうな表情をバッチリと写し取った素晴らしい作品です。

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優秀賞(3点)

「うまくできたね」(ヤクザルとヤクシカ)

里地里山里海部門賞・環境省自然環境局長賞

「うまくできたね」(ヤクザルとヤクシカ)
撮影地:屋久島国立公園
撮影者:髙橋 隆久

<講評>
屋久島に生息するヤクザルの赤ちゃんがヤクシカの足にすがりついている珍しく、またほほえましい写真です。他の種類の動物と仲良くなることは一般的には少ないのですがシカの方も自然にたたずんでいて平和な自然を写し取った良い作品です。

「食事中」(トンボ)

子ども部門賞・田中光常記念賞

「食事中」(トンボ)
撮影地:新潟県村上市
撮影者:渡辺 鈴音

<講評>
トンボが柵に止まって何か食べている所を至近距離まで近づいて写した迫力のある写真は10才の小学生の作品とは思えない技です。ねらった物だけでなく背景や構図も意識して写したとても良い写真です。

「雪にうっとり」(ニホンザル)

自然公園財団理事長賞

「雪にうっとり」(ニホンザル)
撮影地:京都府京都市 嵐山
撮影者:塩見 芳隆

<講評>
赤い顔のお猿さんが雪の中で何か考え事をしているか、一人で歌でも歌っているかのような、楽しくほほえましい作品です。欲を言えばもう少し右方向に回って背景をすっきり出来たら良かったなと思います。

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入選(8点)

「キアンコウの幼魚」(キアンコウ)
「キアンコウの幼魚」(キアンコウ)
撮影地:北長門海岸国定公園 青海島
撮影者:原澤 宏

<講評>
真っ黒の背景の中でキアンコウの色と形が浮かび上がる良い作品です。黒の背景の中にあるゴミのような白点も写真に宇宙のような神秘的ないい効果を与えています。

「マイ・ホーム」(ニホンアマガエル)
「マイ・ホーム」(ニホンアマガエル)
撮影地:栃木県下野市 国分寺民寺公園
撮影者:渡辺 実

<講評>
蓮の枯れた花托で一休みするアマガエルの表情が得意そうで面白い作品です。花托全体を写し込むのではなく、その一部をうまく切り取ったのも成功しています。茶色と緑の配色もとてもとてもいいです。

「大家族」(カワアイサ)
「大家族」(カワアイサ)
撮影地:野付風蓮道立自然公園
撮影者:東海林 勇

<講評>
24羽もの雛をつれたカワアイサの大家族はとても珍しい光景です。沢山の子供が誕生する動物は生存する確率が低いため、この中の何羽が無事に生き延びたのか気になります。カワアイサが川面を波を立てて力強く泳ぐ素晴らしい自然の一コマです。

「一休み」(ヨタカ)
「一休み」(ヨタカ)
撮影地:高梁川上流県立自然公園
撮影者:新木 勝

<講評>
とても珍しいヨタカの作品です。ヨタカは周りの環境と同化し、切り株の上でじっとして木の一部となっているつもりでしょう。このような場合、ヨタカは動きませんので静かにカメラポジションを移して小枝の位置や背景のすっきりしたベストポジションを選んでみてください。

「悠々遊泳」(シャチ)
「悠々遊泳」(シャチ)
撮影地:知床国立公園 羅臼町沖
撮影者:川上 幸男

<講評>
羅臼の海域は海獣たちの宝庫で、シャチも多く見られる有名な海域です。しかし海獣たちは水中にいることがほとんどで写真にするのはなかなか難しいものです。この作品はシャチのいいタイミングだけでなく、背景の知床連山をも綺麗に写し込んだ、ベテランの技を持った方と察します。素晴らしい作品です。

「ボクも欲しいな」(エゾリスとシマリス)
「ボクも欲しいな」(エゾリスとシマリス)
撮影地:北海道札幌市 円山公園
撮影者:須藤 修作

<講評>
エゾリスが美味しそうに食べている物を羨ましそうに見入るシマリスの表情がとてもいい作品です。大きな木の根っこはいいのですが左上の背景が少しうるさくなったのが少し残念です。こんな一瞬の光景をうまく写しとめたいい作品です。

「コンタクト」(エゾシカ)
「コンタクト」(エゾシカ)
撮影地:北海道 野付半島
撮影者:水谷 祥彦

<講評>
冬の野付半島は僅かに生えた草を求めてエゾシカたちが集まってきます。しかし雄ジカたちに近づくことは難しいものです。立派な角を持つ雄ジカたちが警戒してこちらを見ているいい瞬間を写されています。欲を言えば真ん中の雄ジカの角が後ろのシカに重なったのが惜しいです。

「いい田だな!」(ヌマガエル)
「いい田だな!」(ヌマガエル)
撮影地:佐賀県伊万里市
撮影者:山﨑 章弘

<講評>
ヌマガエルをとてもいいアングルで撮影されています。一般的に狙った被写体だけに気持ちが集中するため背景等がおろそかになりがちですが、この作品は水面ギリギリの低い位置から蛙の表情と共に背景の様子までも綺麗に写し込んだ素晴らしい作品です。

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子ども部門賞(1点)

「おかあさんとこどものサル」(ニホンザル)
「おかあさんとこどものサル」(ニホンザル)
撮影地:中部山岳国立公園 上高地
撮影者:関 碧衣(7歳)

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佳作(16点)

わぬ珍客(ノハラツグミ)
わぬ珍客(ノハラツグミ)
野村 真輝
見つめ合うメジロとシジュウカラ(メジロとシジュウカラ)
見つめ合うメジロとシジュウカラ(メジロとシジュウカラ)
田畑 雄介
威嚇(ヤマドリ)
威嚇(ヤマドリ)
福田 司
何かいないかなぁ(コミミズク)
何かいないかなぁ(コミミズク)
髙橋 明
逆さまで食事(アカゲラ)
逆さまで食事(アカゲラ)
上戸 鉄雄
花畑を飛ぶ(コミミズク)
花畑を飛ぶ(コミミズク)
渡辺 邦昭
ジャンピングなきうさぎ(ナキウサギ)
ジャンピングなきうさぎ(ナキウサギ)
佐藤 圭
小春日和(エゾフクロウ)
小春日和(エゾフクロウ)
藤本 卓哉
小さなごちそう(ベニヒワ)
小さなごちそう(ベニヒワ)
菅原 恵子
秋の散歩道(白鷺)
秋の散歩道(白鷺)
鳴海 貴子
今 起きたところです(アズマヒキガエル)
今 起きたところです(アズマヒキガエル)
尾﨑 理絵
春なのに雪が!(シマエナガ)
春なのに雪が!(シマエナガ)
中村 妃都美
カモのミィーティング(カモ)
カモのミィーティング(カモ)
栗原 公子
抱卵死守(マダコ)
抱卵死守(マダコ)
佐野 俊次
なかよし(キタキツネ)
なかよし(キタキツネ)
䑓 なつみ
桜に誘われて(エゾリス)
桜に誘われて(エゾリス)
安孫子 勝

※写真の無断掲載を禁じます。


「野生動物写真コンテスト~自然界に生きる野生動物たち~」は、次の皆様のご協力をいただいて開催しております。(敬称略・50音順)

  • 朝日新聞社
  • 環境省
  • キヤノンマーケティングジャパン株式会社
  • 公益信託自然保護ボランティアファンド
  • 全日本写真連盟
  • WWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)
  • ディスカバリー・ジャパン株式会社(アニマルプラネット)
  • 富士フイルムイメージングシステムズ株式会社