第10回 野生動物写真コンテスト 入賞作品(平成29年度)

入賞作品が決定しました!

 今回のコンテストでは、全国から素晴らしい作品を多数ご応募いただきました。誠にありがとうございました。
 厳正な審査の結果、応募作品の中から選ばれた入賞作品を発表いたします。
 入賞者のお名前は、敬称を略させていただきました。


【総評】
 今年も応募作品を拝見するのを楽しみに審査会場に行きました。
 今回は276名の方から927点の応募がありました。内中学生以下の応募者が9名、22点でした。
審査は各方面から6名の審査員による投票で審査は進められました。応募内容は鳥類の作品が一番多く、次に哺乳類、昆虫類、爬虫類、両生類と続きました。
 同じ場所で同じ時に同じものを別の方が撮影され、非常によく似た作品もありました。自然公園財団という立場から禁止区域等で撮影されたと思われる作品は審査対象外としました。
 たくさんの作品の中から選考するのは大変でしたが、今回の最優秀賞は水野紘一さんのヘラサギが選ばれました。
 全体的に言えることですが上位に選ばれるような作品は作品の画面構成がシンプルで作品のポイントとなる点が明確に表現されているということです。煩雑な画面の作品では写真の訴える力が弱くなります。写したいメインの被写体のみならず背景も作品の出来栄えに重要な役割を持っていますので注意して撮影をしてください。
次回も沢山の作品を拝見できることを楽しみにしています。

動物写真家 浅尾 省五

| 最優秀賞・環境大臣賞 | 優秀賞 | 入選 | 子ども部門賞 | 佳作 |

最優秀賞・環境大臣賞(1点)

「捕獲」(ヘラサギ)

最優秀賞・環境大臣賞

「捕獲」(ヘラサギ)
撮影地:埼玉県伊佐沼
撮影者:水野 紘一

<講評>
ヘラサギが獲物を捕らえた瞬間を素晴らしいタイミングで写しとめています。水面に写った影や、くちばしを振り上げたときにできた水しぶきもベストのタイミングです。

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優秀賞(3点)

「頭に来た!」(ササゴイ)

里地里山里海部門賞・環境省自然環境局長賞

「頭に来た!」(ササゴイ)
撮影地:埼玉県狭山市
撮影者:大野 雅之

<講評>
ササゴイが獲物を狙っている最中にトンボが頭にとまっている瞬間をよく写し撮られたものです。トンボの形もササゴイの表情もとても面白い作品です。

「桜とメジロ」(メジロ)

子ども部門賞・田中光常記念賞

「桜とメジロ」(メジロ)
撮影地:北海道 前田森林公園
撮影者:本多 雄高(11歳)

<講評>
メジロは小さく動きも早い鳥なので写すのはなかなか大変です。桜の花の蜜を吸いにきたメジロをいいタイミングで写され良い作品になっています。中学生以下の方がこんな作品を作れることは素晴らしいことです。

「虹色の夢」(ザトウクジラ)

自然公園財団理事長賞

「虹色の夢」(ザトウクジラ)
撮影地:久米島沖 トンバラ岩周辺
撮影者:菊井 景子

<講評>
久米島沖のトンバラ岩周辺に現れたザトウクジラが浮上した時に行う息継ぎで吹き上げたしぶきが虹色に染まった瞬間を周囲の景観を入れてうまく表現されています。

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入選(10点)

「離昇」(オオワシ)
「離昇」(オオワシ)
撮影地:根室市 納沙布岬
撮影者:伊藤 泰愛

<講評>
青い海に浮かぶ白い流氷を全面に配し、オオワシが飛び立つ瞬間を狙い撮られた作品でオオワシの配置も全体の画面構成も素晴らしい。

「子育て」(セイタカシギ)
「子育て」(セイタカシギ)
撮影地:千葉県木更津市
撮影者:稲葉 幸恵

<講評>
日本でセイタカシギの子育てを見るのはなかなかむずかしいと思いますが、そんな状況下で2羽のヒナをやさしく見守るお母さんの姿が素晴らしい。水藻に写った影も作品を引き立てています。

「初秋のアキアカネ」(アキアカネ)
「初秋のアキアカネ(アキアカネ)
撮影地:埼玉県越谷市
撮影者:鈴木 ひろみ

<講評>
初秋の静まり返った朝でしょうか。5匹のアキアカネが草の穂にとまって休む様子を、背景をうまくぼかし静かな様子がうかがえる素晴らしい作品です

「なかよし」(エゾリス)
「なかよし」(エゾリス)
撮影地:北海道札幌市
撮影者:嶋田 浩江

<講評>
親子でしょうか?2匹のエゾリスが戯れる瞬間をうまく写し撮られています。背中でお母さんに甘えようとする子リスの表情もよく、全体の画面構成もいい作品と思います。

「反撃及ばず」(ハヤブサ、ウミネコ)
「反撃及ばず」(ハヤブサ、ウミネコ)
撮影地:松前矢越道立自然公園
(北海道上磯部郡知内町)
撮影者:川上 幸男

<講評>
激しく抵抗するウミネコ。ハヤブサがウミネコを襲った瞬間が見事に写し撮られています。自然の中で命をつなぐ厳しさを表した素晴らしい作品です。

「エイリアンの子育て中」(タルマワシの仲間)
「エイリアンの子育て中(タルマワシの仲間)
撮影地:静岡県沼津市大瀬崎
撮影者:原澤 宏

<講評>
海の中の生物はなかなか目にすることがなく珍しいものがたくさんいる世界です。どれほどの深さで撮影されたかわかりませんが珍しいタルマワシの仲間の子育てを水中のむずかしい環境で的確にとらえ良い作品にされています。

「敬礼のポーズ決まってるでしょ!」(ダイサギ)
敬礼のポーズ決まってるでしょ!」(ダイサギ)
撮影地:東京都杉並区善福寺川
撮影者:宮坂 幸輝

<講評>
ダイサギを正面から狙い、足で毛づくろいをする一瞬を写し撮った作品で敬礼をしているようにも見えます。全体的にシンプルにまとまった素晴らしい作品です。

「竜宮からの旅人」(ウミガメ)
「竜宮からの旅人」(ウミガメ)
撮影地:慶良間諸島国立公園(沖縄県座間味村阿嘉)
撮影者:撮影者:宮部 智

<講評>
座間味の海で撮影されたウミガメ。タイトルのようにまるで竜宮からきたか様に深海から浮上しているように見えます。動きを感じるいい作品です。

「アオリイカと水中散歩」(アオリイカ)
「アオリイカと水中散歩」(アオリイカ)
撮影地:式根島 中の浦海水浴場
撮影者:赤星 佳高

<講評>
式根島の海でのアオリイカの生態を写した珍しい作品です。イカも同じ方向を向いて泳ぎ背景の自然の海底が彼らの生活環境をよく表しています。

「北帰行」(マガン)
「北帰行」(マガン)
撮影地:青森県青森市
撮影者:中村 文哉

<講評>
春を感じたマガンの群れが雄大な雪山を背景に飛行する素晴らしい作品です。飛行ルートや背景などを事前によく調査されていることを感じさせる力作です。

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子ども部門賞(4点)

「いっぱい食べよう!」(アトリ)
「いっぱい食べよう!」(アトリ)
撮影地:札幌市中央区
撮影者:久保 凛太郎(12歳)
「枝で休むオニヤンマ」(オニヤンマ)
「枝で休むオニヤンマ」(オニヤンマ)
撮影地:東京都国分寺市 おたかの道
撮影者:本多 倫太郎(12歳)
「Who are you?」(エゾリス、エゾフクロウ)
「Who are you?」(エゾリス、エゾフクロウ)
撮影地:北海道 鶴居村
撮影者:浅水 真聡(14歳)
「はねかわかしてせんたくもの」(ウミウ)
「はねかわかしてせんたくもの」(ウミウ)
撮影地:相生市長池公園前
撮影者:ベニテズ 世李和(8歳)

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佳作(19点)

気迫の餌渡し(ハヤブサ)
気迫の餌渡し(ハヤブサ)
中村 道雄
舞う(ヤマセミ)
舞う(ヤマセミ)
髙橋 明
飛翔(アオサギ)
飛翔(アオサギ)
海老原 郁夫
シラサギのダンス(チュウサギ)
シラサギのダンス(チュウサギ)
漆戸 謙輔
おなかいっぱい(ツキノワグマ)
おなかいっぱい(ツキノワグマ)
加賀谷 知基
リスの想い(エゾリス)
リスの想い(エゾリス)
松岡 規子
Urban Life(バン)
Urban Life(バン)
寶柳 仁志
舞雪(オジロワシ)
舞雪(オジロワシ)
加茂谷 仁
赤ちゃんシャチ(シャチ)
赤ちゃんシャチ(シャチ)
早川 徳幸
興味津々(エゾリス)
興味津々(エゾリス)
西山 亜希子
まだまだ甘えん坊(キタキツネ)
まだまだ甘えん坊(キタキツネ)
平松 知子
北の楽園(タンチョウ、オオハクチョウ、他)
北の楽園(タンチョウ、オオハクチョウ、他)
及川 文
飛んだ飛んだ!! (エゾモモンガ)
飛んだ飛んだ!! (エゾモモンガ)
南 友人
蛇行(ウミヘビ)
蛇行(ウミヘビ)
谷口 常雄
晴れ舞台(オオジシギ)
晴れ舞台(オオジシギ)
木村 幸子
みつけた!!(エゾリス)
みつけた!!(エゾリス)
岩井 郁美
小さな世界(シュレーゲルアオガエル)
小さな世界(シュレーゲルアオガエル)
西田 真大
大合唱(トド)
大合唱(トド)
臺 なつみ
デザートに誘われて(エゾリス)
デザートに誘われて(エゾリス)
安孫子 勝

※写真の無断掲載を禁じます。


「野生動物写真コンテスト~自然界に生きる野生動物たち~」は、次の皆様のご協力をいただいて開催しております。(敬称略・50音順)

  • 朝日新聞社
  • 環境省
  • キヤノンマーケティングジャパン株式会社
  • 全日本写真連盟
  • WWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)
  • 富士フイルムイメージングシステムズ株式会社