4月23日、平成5年度最初の自然ふれあいイベント「金門周辺の知られざる遺跡を巡る」を実施しました。
当日は素晴らしい天気。澄んだ空気がすがすがしく、遺跡がある春の森を気持ちよく歩くことができました。
金門は、大山の聖域中の聖域に入る自然の門です。500年ほど前までは大山寺本堂(大智明権現社)、現在の大神山神社奥宮への参道が通っていました。
しかし1529年の山津波で、金門下流にあった寺院をすべて押し流し、現在は佐陀川が流れる渓谷になっています。
押し流された寺院のグループを南光院と言い、19世紀初頭までにすべての寺院が大山寺内の別の場所へ移転しました。金門の南側斜面には、南光院の寺院跡がたくさん残されており、今回、それらの遺跡を巡るイベントを企画しました。
御旅所跡は、南光院の中心であった釈迦堂が元々あった場所と推定されています。尾根の一部を切り崩した広い平地で一部が石垣で囲まれています。大山寺集落でもほとんど知られていない遺跡です。
今回のメインは天狗屋敷ともいわれる求聞持堂跡です。尾根の鞍部にある石塀で囲まれた20畳ほどの遺跡です。かつての弥山禅定(回峰巡業)でお籠りしたお堂だと伝わっています。道がほとんど失われ、急斜面を登るので現在はほとんど人が訪れない遺跡です。
今回は一部ロープを使い斜面(古道)を登りました。苦労して這い上がると、石塀の上にイワカガミや春蘭の花が待っていました。