毎年11月に江府町で開催される奥大山古道ウオークは平成22年(2010)にスタート。自然公園財団は奥大山古道保存協議会の一員として協力しています。
古来より人々の信仰を集めた霊峰大山。その中心である大山寺の参拝道の一つ、岡山から大山寺を結ぶ大山道が江府町を通っています。奥大山古道ウオークは使われなくなった歴史のある道を復活させたいという地元の方々の願いから始まりました。
今年の奥大山古道ウオークは11月10日に開催。例年より紅葉が2週間も遅く、木々の色づきはいまいちでしたが、すばらしい天候に恵まれ、45名の参加者が5つの班に分かれて4キロほどの古い道の跡を歩きました。
横手道の景勝地、鍵掛峠からウオーキングをスタート。開会式にはイベントを祝福するかのように彩雲が現れた。鍵掛峠は旅の安全や幸運を願ってかぎ状の枝を木に掛けた場所。標高910メートル。大山寺はここからまだ10キロ先にある。
しばらくは尾根沿いの道を行く。今は森だがかつては草原だった。大山寺で開催されていた牛馬市に出す牛や馬が道端の草を食べたらしい。大山の牛馬市は日本三大牛馬市と言われ、多い年は1万頭を超える牛馬が売買された。
田畑を潤した2本の井出(用水路)の跡がある。130年前に開削された米金井出は総延長20キロ、トンネルが27箇所、30町歩の新田を潤した。2000年の鳥取県西部地震(7.3M)で使用不能に。
御机集落で昼食。集落より団子汁の提供を受ける。御机集落は隠岐に流された後醍醐天皇が宿泊された歴史ある集落で、御座所がないので3つの机を並べて仮座にしたのが集落名の由来。団子汁はもち米が無かったので団子汁を天皇に出したところ、誉められたので正月などめでたいときに出すようになったとか。
笠良原台地の奥に見えるのが、大山の南壁(左)、城山(中央)と烏ヶ山(右)。笠良原台地を少し上ったところにサントリー天然水ブナの森工場がある。標高650メートル付近
下蚊屋集落はもともとは木地師の集落だったが、大山道沿いなので宿場町化した。ここも古い集落で、後醍醐天皇をお泊めした時に蚊帳を吊るしたが、蚊がいないから必要ないと言われて取り下げたことが集落名の由来。荒神神楽は江戸時代末期に伝わった備中神楽の流れをくむもので鳥取県無形民俗文化財