日本山岳協会の久保ガイドより登山道の情報を頂きました。
3月19日(火)現在の大山夏山登山道の最新情報をお知らせします。
午前9時の大山寺の天候 くもり時々小雨 気温7℃ 無風
お昼12時の6合目の天候 くもり時々晴れ 気温6℃ 無風
17日が雪で春の重たい雪が標高900m付近で20cm程度降りました。
ただ翌18日は快晴でやや雪が緩み、さらに17日は緩んで登山道は
キックステップが出来る方にとってはアイゼンを必要としない程度でした。
しかし7合目を過ぎる辺りからは積雪もやや増えてきて、急斜面では
緩んだ雪の下に凍った雪があるために滑りやすくなっています。
危険だと思ったら迷わずアイゼンを履いてください。
まだまだ大山では12本爪のアイゼンが必要です。
今の時期にガイドをしていて必ず聞かれる質問について。
登山道の1合目辺りから見事なブナ林がみられますが、春の訪れを
感じさせる風景が随所に出てきます。
それは木々の根元の周りの雪が融けてきていることで
根開き「ねあき」とか「ねびらき」とか言われています。
なぜ木々の周りだけ融けるのか、もちろん理由があります。
雪は白いので太陽の光をほとんど反射して温まりにくいのですが
木々は樹皮が黒に近い色をしているために、太陽の光熱を吸収して
温まります。
また春になると木々の活動が活発になり地下水を多く吸い上げるように
なりますが、この地下水は意外に暖かく、これらの熱が木々の周りの
雪を溶かすと考えられています。
よく注意して歩くとヤマヤナギの新芽が少し膨らんできているのが
わかりますし、2合目を過ぎてから標高1000mを少し越えた辺りで
「マンサク」が咲き始めていました。
これ語源については早春に一番に咲く「まず咲く」という表現が
変化したといわれています。
山に咲く花はほとんどが語源がありますので、それも合わせて
覚えると頭に入りやすいと思います。
雪が少ないとはいえ、天候の急変もあり、まだまだ冬山装備は
必ずお持ちください。
先日の事故事例ですが、アイゼンを履いたまま尻セードで斜面を
下っていて足を骨折した事故がありました。
怪我をされた方にはお気の毒ですが、起こるべくして起こった
至極当たり前の事故です。
取り返しのつかない怪我でなかっただけ良かったと思ってください。
出来るだけ単独ではなく、経験豊富なリーダーまた同行者とともに
雪山に入ってください。
雪が少ないためにスキー場も10日で営業終了となりました。
道路も駐車場もほとんど雪はありませんが、まだ降る可能性はありますので
天気予報には充分注意して大山においでください。