吾妻山(一切経山)では、3月10日から火山性地震が増加しているとして気象台から火山活動の状況について発表がありました。
4月の再開通に向けて磐梯吾妻スカイラインの除雪も行われており、火山活動の活発化が心配されましたが、その後3月17日の発表では、「地震の回数は減少しており、火山活動が活発化する様子は認められません」と評価されています。
昨年も3月、8月頃に火山性微動を含む火山活動活発化の兆候(?)が観測されていましたので、やはりいつも情報収集と警戒を怠らないことが大切です。
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令和5年3月17日16時00分 仙台管区気象台発表
火山活動の状況
吾妻山では、3月10日から火山性地震が増加しましたが、14日以降減少しています。低周波地震の発生頻度は2月頃からやや上がっている状態が継続していますが、火山性微動は観測されていません。
3月10日以降の火山性地震と火山性微動の発生回数(速報値)は、次のとおりです。
火山性地震 火山性微動
3月10日 31回 0回
11日 73回 0回
12日 111回 0回
13日 120回 0回
14日 72回 0回
15日 71回 0回
16日 24回 0回
17日15時まで 10回 0回
浄土平に設置している傾斜計では、3月8日頃からみられている西(大穴火口方向)上がりの変化は緩やかに継続しています。
監視カメラによる観測では、特段の異常はみられません。
16日に実施した現地調査では、大穴火口およびその周辺の噴気や地熱域の状況に大きな変化は認められませんでした。
これらのことから、火山活動が活発化する様子は認められません。
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火山名としては吾妻連峰の総称である「吾妻山」と呼ばれますが、噴火が想定されるのは過去にも複数回噴火している一切経山(いっさいきょうざん)の大穴火口(おおあなかこう)付近です。
福島県と山形県の県境に連なる吾妻連峰のいちばん東に位置します。
大穴火口は磐梯吾妻スカイラインの浄土平から、直線距離で700m程度です。
吾妻山の「噴火警戒レベル」が1から2以上に引き上げられた場合には、磐梯吾妻スカイラインは全線通行止めとなり、浄土平からは即、避難しなければなりません。
現在、吾妻山は「噴火警戒レベル1」(活火山であることに留意)です。
最近では令和元年(2019年)5月9日~同年6月17日に、噴火警戒レベルが2に引き上げられています。
噴火は、46年前の 昭和52年(1977年)の小規模噴火以来、起きていません。