自然紹介 2022/07/04

がんばれ野鳥たち!2022【3】

思いのほか早く梅雨明けし、上高地でも夏本番といった気候となってきました。
日差しが強い&気温が高い日が続いたかと思えば、いきなり夕立になったりと天気もころころ変わることが多いですが、鳥たちはなんのその。逞しく日々を過ごしています。
前回同様、今回も繁殖シーズン最中の彼らの様子を覗いてみました。


シジュウカラ(幼鳥)

薄くて短いネクタイと、ほんのり黄色いほっぺが愛しい幼鳥ちゃん。


シジュウカラ(左:幼鳥、右:親鳥/オス)

まだまだ甘えたい盛りの幼鳥ちゃんは、餌をもらったばかりなのに更におねだり。パパ鳥は「よし、任せとけ!」とばかりに颯爽と飛び立っていきました。


マガモ(幼鳥)

片手にすっぽりサイズだったおチビちゃんたちも、だいぶ成長しました。
子育てはメスのみで行うのがマガモ流。ママ鳥はワンオペ育児でここまで頑張ったんだなぁとしみじみします。


マガモ(親鳥/メス)

とはいえ、一人前になるまではまだまだ気は抜けません。
この時も近くにカケスがいて、ママ鳥は我が子たちを藪の中へ促し、しっかりと警戒態勢。


マガモ(親子)

やがてカケスが去っていくと、ママ鳥の合図でおチビちゃんたちは水辺に出てきて、みんなで採食しながら泳ぎ去っていきました。


マガモ(成鳥/オス)

メスが子育てに奔走するなか、ではオスは何をしているかというと・・・専らオス同士でつるんで過ごしています。
一羽でいるよりも敵への警戒網が増えるのでより安全なのでしょうが、なんだか気楽にのんびりしている感が否めないのは私だけでしょうか・・・。


ゴジュウカラ(親鳥)

せっせと餌を集めている親鳥を発見。
木を上り下りしながら、虫を見つけては嘴に咥えていきます。


ゴジュウカラ(親鳥)

3分ほどでこんなに捕まえていました。
その後は姿を見失ってしまったのですが、きっとかわいい我が子の元へと運んでいったことでしょう。


キセキレイ(親鳥/メス)

とある施設の方に「巣があるよ」と教えていただき、覗きにいったところ、抱卵中のママ鳥がいました。
割と人通りがある場所なのですが、だからこそカラスなどの天敵からは狙われにくいともいえます。彼らの子育ての知恵ですね。


コサメビタキ(親鳥)

こちらも抱卵中の一枚。
実はここ、昨年も同種が巣をかけた場所でした。同じ個体ではないと思いますが、コサメビタキ的に子育てに適した場所だということでしょう。
因みに、卵は無事孵り、すでに雛たちは巣立っています。ビジターセンターのインスタグラムで巣立ちの様子が見られるのでぜひどうぞ。

子育てとひと口に言っても、オスメス共同で行う種、メス単独で行う種もいれば、はたまた全くの赤の他人(鳥)の巣に卵を産み、丸投げする種もいます。己の遺伝子を残すという目的は一緒なのに、鳥によって子育ての仕方は様々で、それぞれが試行錯誤しながらも自分たちに合ったスタイルを確立し、受け継いできたんだなと思うと、歴史を感じるし、改めて興味深い生きものだなぁと思います。
自然豊かな反面、自然に翻弄されることも多いだろうこの地で頑張る彼らを、これからもそっと応援していきます。

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