爽やかな風とともに淡い緑色をした植物の息吹を感じつつ散策を楽しんでいただける5月。
スタッフおすすめの季節のひとつです。
今年は例年より少ない残雪量と高めの気温のために、植物の芽吹きや花・葉の展開が目まぐるしい速度で進んでいます。
例年と比べると少なくとも2週間ほど早いのではと感じます。
通常5月下旬頃から見頃を迎える新緑も今年はもう見頃になってきています。
本日は、5月2日と9日に上高地を散策した時の様子をご紹介します。
5月のはじめ、たくさんのフッキソウが青々とした葉と共にいち早く花を咲かせています。
緑が少ない林床で濃い緑が目立っていました。
こちらは上高地で一番に開花するサクラ、タカネザクラです。(5/2撮影)
明神への道すがら、足元にクローバーのような形の葉を見つけることができました。
コミヤマカタバミやミヤマカタバミの葉です。花は淡いピンク色をしています。日光が当たっていないと葉や花が開いてくれません。
湿原の中にはサンショウウオの卵塊が産み落とされていました。
クロサンショウウオでしょうか。
シナノキやハウチワカエデ、トチノキの葉がひらきはじめています。
ファンも多いサンカヨウも花がほころびはじめました。
シワシワの葉がだんだんに広がっていく様子もとても面白い花です。
個人的に好きなズダヤクシュの花も登場しています。
小さな小さな花が下向きに多数つきます。特徴的な形がかわいらしいです。
シロバナエンレイソウも3枚の大きな葉っぱと中央につけた可憐な白い花で人々を楽しませています。
オオバキスミレはその名の通り大きな葉と黄色の花弁を持ったスミレです。上高地内では局所的に出会えます。
そして、スプリングエフェメラルの代表格、ニリンソウ。
白い花のじゅうたんが一面に広がり、春の光をいっぱいに浴びています。
上高地の春を彩る代表的な花です。
二リンソウは5月上旬現在、見頃と呼べるほど満開になっています。
今しばらく見頃は続きそうですが、今までにない速さです。
ニリンソウの中には先祖がえりした花、ミドリニリンソウといわれるものも混じっています。
見つけると幸運が訪れるとか・・・。一輪見つけると、探すコツが分かり次々に見つけることができますよ。
新緑の上高地は季節の中で一瞬です。
ぜひ春の生命の息吹を感じてください。
散策の折に携帯したい『上高地の花ハンドブック』です。図鑑を片手に現地でお調べいただくとその場で観察できて理解も深まります。
草本だけでなく樹木も掲載されています。
また、季節順に追って調べることができる点も推しのポイントです。
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