自然紹介 2024/08/02

盛夏の上高地の生きものたち〈7月31日撮影〉

入梅それ自体は遅かったものの、短期間で多量の雨に見舞われた今年の上高地。
その梅雨が明け、盛夏を迎えています。
山肌の残雪も随分少なくなりました。


河童橋と穂高連峰

本日は先日上高地を散策した際に出会った生きものたちをご紹介します。


エサキモンキツノカメムシです。小楯板にある黄色のハートが特徴的なカメムシで、真っ先にこの紋が目に飛び込んできました。


エサキモンキツノカメムシ

カメムシ愛が止まらない、同僚のKさんに教えてもらいました。
メスは卵や子を保護する習性があるそうです。機会があったらその様子も見てみたいものですね。
幼虫・成虫ともに植物の汁を吸います。
開花間近なハンゴンソウにいました。


ハンゴンソウ上のエサキモンキツノカメムシ



こちらはオオアオゾウムシです。黄緑色の鱗片に覆われたやや大型のゾウムシで側縁が黄色。
地の色は実は黒色で、手で触りすぎると鱗片が落ち、このもともとの体色が表れます。
こちらは発生して間もない個体なのでしょう、きれいな色をしていました。


オオアオゾウムシ

食性は幅広く、成虫では各植物の葉を、幼虫時代は潜根性で根っこを食べます。
敵に会うと死んだふり(擬死)をするらしいですが、フレンドリーに接したからか、大人しくしてくれていました。


個人的に出会えるとうれしいゴイシシジミ。
「名は体を表す」。ネーミングした方に1000点ほど差し上げたくなる、碁石のような模様が特徴的なシジミチョウ。


シナノザサ上のゴイシシジミ

その存在を唯一無二にしているのは、その模様のみならず、その食性でしょう。
純肉食の蝶で、幼虫時代はタケ・ササ類につくアブラムシを、成虫になってからはその分泌物をエサとしている、アブラムシにまるきり依存して生きている蝶です。


ゴイシシジミ

翅表も撮れました。裏の模様と比べると地味で見逃してしまいそうです。


ミヤマアカネの成熟したオスが地面で休んでいました。
オスは徐々にその体色を黄褐色から赤褐色に変化させていきます。


ミヤマアカネ

ミヤマアカネは翅の褐色の帯・翅脈まで色付く美しいトンボ。
メスは緩やかな流れのある、浅い川で産卵を行うそうです。


ミヤマアカネ




さてこちらは今上高地の空をそこかしこに舞っているアキアカネ。避暑地で繁殖に備え中でしょうか。


ノブキの花の上に留まるアキアカネ

貪欲にむしゃむしゃと蛾のようなものを食べています。


蛾のようなものを食べるアキアカネ



マガモのメスがヒナを4羽連れていました。

ずいぶんと大きくなっています。
湿原の縁をスイスイと水草などを採食しながら移動していきます。
ヒナは自ら先頭を切って移動していました。



親が丘に上陸してミゾソバを食べてみせると、ヒナたちも真似して花を食べていました。

時折鳴き交わしています。
それは聞き逃してしまうほどの小さなものでした。



カケスの羽根が落ちていました。


カケスの羽根

青水色の羽根の模様が美しく目立ちます。


カケスの羽根



先日、カケスの親子に会いました。幼鳥はずいぶんと立派に成長していますが、枝の歩き方などに幼さが残っています。


こちらはカケス成鳥(親)です


カケス幼鳥

餌はまだ親に運んでもらっていました。
精悍な顔つきの親と比べるとどこかかわいらしさがあるものの、堂々たる様はカケスのそれに間違いないですね。


カケス幼鳥

散策が終わった後はぜひ上高地ビジターセンターやインフォメーションセンターにもお立ち寄りください!
何という生きものだったんだろう?
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