沿革

近年の車社会の発展は、国立公園などの自然公園への接近を容易にし、さらには、所得の向上や余暇の増大によって、公園利用はますます進展しました。このことは、推奨すべき事柄である半面、ゴミによる環境汚染や過剰利用による公園施設等のメンテナンスに悪影響をきたすなど、快適であるベき公園の環境を悪化し、公園の本来的な自然の資質までも損なうような負の効果も生じてきました。

これら自然公園の維持管理に関する諸間題の解決にあたって、「自然環境保全審議会」は、所管の環境庁(当時)に対して、「貴重な国家的財産である自然公園は、公共機関のみならず広く国民の参加と協カにより保全すべきとの考えから、公園を維持管理する費用の一部を利用者に求めることを検討すること」の意見を述べました。

この意見にそって、環境庁(当時)は入園料などによる利用者負担の検討をしましたが、公園施設の利用に際しての協力金による負担の方が実情になじみ、国民の理解が得られやすいとの考えに達して、当面、公園施設の「駐車場」と「野営場」を特定し、これを利用する方にご協力をいただくことにしたのです。

このように公園利用者からの協力金を主体として、公園の維持管理事業を運営するためには、あらたな公益法人によらしめることが望ましいとし、昭和54年6月29日に内閣総理大臣の許可をうけて「財団法人自然公園美化管理財団」が設立されました。

当財団は、自然公園内における美化清掃及び利用施設の適切な維持管理を推進し、もって自然公園内における清潔の保持及び快適な利用環境のもとでの適正な公園利用に寄与することを目的として設立され、その事業内容から「自然公園美化管理財団」との名称を用いることとしました。

しかしながら、現在、公園利用者のニーズは、多彩な自然とのふれあい活動や自然体験を求める傾向となってきており、当財団においても、自然公園利用についての情報提供、自然とのふれあい活動の実施、ボランティア活動への支援等の業務が増加してきました。当財団としては、このような社会状況の変化に対応し、自然公園の管理業務を幅広く実施していくため、事業内容を的確に表す名称として平成14年7月1日に「自然公園財団」と改称しました。

平成20年12月に公益法人制度改革関連3法が施行されたことを受け、競争的環境の中で引続き安定的に事業を遂行していくため、当財団は、それまでの公益法人から経営の自由度が高い一般財団法人への移行の認可を受けて平成23年 4月、「一般財団法人 自然公園財団」に移行致しました。但し、一般財団法人ではあっても、収益を目的とする営利法人化を指向するのではなく、これまでと同様、自然公園を美しく維持・管理し、自然と楽しくふれあえるよう活動してまいります。