出勤時にオシンコシンの滝からオホーツク海の写真を撮るのがすっかり日課になりました。
先日仕事帰りにも立ち寄り、夕暮れ時のオホーツク海を眺めたのですが、これを毎日見れていることが急に贅沢に思えて、その途端に全ての景色が愛おしく感じるようになりました。
これが愛着というのでしょうか。
こんにちは。自然公園財団知床支部の山田です。
早いもので知床に来て3カ月が経ち、こちらでの生活も徐々に慣れてきた中で1番気になっている存在がいます。
それは知床に関する自然の本の中で必ずといってもいいほど紹介されている、絶滅危惧種の海鳥ケイマフリです。
写真を見ると、全身黒色に白いアイリングという少しとぼけた顔がとってもキュート。そして足は赤。
こちらに来てから何度か目撃しているのですが、遠目な上に米粒位の大きさでしか観察できていないのでいつか近くでと思っていたら、先日近くで見る機会があったので写真を撮ってきました。
ちなみに写真はトリミングしています。
それではレッツケイマフリ!
群れて泳ぐケイマフリ達。フィーフィーという鳴き声に例えられることが多いですが、個人的には「ピッピッ」という高めの電子音に聞こえます。
プカプカと浮かぶケイマフリ。こういうおもちゃ欲しい。
その後何羽か観察していると、潜って浮上した直後に飛び立った1羽がいました。
カメラを向けてみると、
餌の魚をくわえて飛んでいます!(ピン甘ですが……)
ケイマフリは主にイカナゴを食べていて、海に潜ってイカナゴや他の魚を獲ります。
初めて餌を獲る姿を見れて大興奮でしたが、もうちょっと近くでケイマフリの足を見たいなと思い、もう少しだけ粘ることにしました。
すると近くに黒い鳥影が!
ケイマ……フリじゃない。
Who are you?
ハシボソミズナギドリでした。
実は初観察。近くにはウトウもいて、大賑わいでした。
しばらくボーっとしていると、近くにいたケイマフリが飛び立ったので、再び撮影しました。
個人的はお気に入りの1枚ですが、夕暮れの海と同化してしまい少し分かりづらいです。
「やっぱりあともう少しだけ待って……うん。これ本当に最後だから」と自分に言い訳していると、その気持ちが伝わったのか(絶対に伝わっていない)直ぐ近くにケイマフリが浮かび上がってきました。
望遠レンズ越しですが、こんなに近くで観察できたのは初めてです。
羽が少し茶色いのも分かります。
このケイマフリですが、しばらくプカプカと浮かんだ後に羽を広げたのでカメラを構えました。
ピン甘ですが、赤い足でパシャパシャと水面蹴って助走を付けています。
そしてテイクオフ!
羽の模様がハッキリと見えます。綺麗。
やっとみれたケイマフリの赤いおみ足。
嘴。白いアイリング。黒い体。赤い足。そして鳴き声。
なんて可愛いらしいのでしょう。
この気持ちがこれが愛着というのでしょうか(デジャブ)。
そんなケイマフリの赤い足は赤い糸で結ばれていて、その先にはつがいになる個体がいるそうです。
知床にお越しの際は是非ケイマフリを観察してみて下さいね☆
担当:山田