穂高上部の草紅葉が始まり、いよいよ季節は秋です。
この時期はお花も終盤となり、咲いている種類は日に日に少なくなっていきます。寒さも増してきていますが、それでも頑張るお花たちをご紹介します。
一見アザミに似たお花ですが、葉も茎も柔らかな毛に覆われていて、いい触り心地です。背も1~1.5mもあるので目立ちます。
山梨県と長野県の一部でしか見られないことから、「甲州」と「信州」で「甲信(コウシン)」の冠がついているのだとか。花が落ち、枯れて茎だけになったあと、氷点下の朝に見られる氷柱となった姿も美しいです。
ノコンギクと共に上高地の秋を彩るキク科のお花です。背丈はノコンギクの倍ほどもありますが、色味が控えめなのでどちらかといえば引き立て役になってしまっているかも。
名前の由来は明け方の空の色である「曙(アケボノ)」からきており、実際の花の色、小さく慎ましく咲く姿も日本美を感じます。
名前の通り、船の錨(いかり)に似た特徴的なお花です。上高地ではあまり多く咲いておらず、色味的にも周囲に溶け込みやすいため、じっくり目を凝らして歩かないと見つからないかもしれません。
鮮やかな黄色が目を引きます。大きいものは2mにもなるのっぽさんでもあります。かがまなくても見られるので、観察するには易しいお花です。キオンという似たお花もありますので違いをみつけてみてください。(注目はお花ではなく…)
上高地の彩りの主役はお花から赤くなりだした実へ、そして葉へと移り変わっていきます。
例年通りならば、広葉樹の紅葉は10月中旬、上高地の樹木の多くを占めるカラマツの黄葉は10月下旬が見頃となります。
今年は8月の長雨の影響が気にかかりますが、来るその時期を楽しみにしたいと思います。
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