皆さん、こんにちは。今回のブログの更新は、インターン生の尾上が担当します。
今回、一般財団法人自然公園財団上高地支部の6日間のインターンシップに参加しました。私が体験した仕事の一部を皆さんにご紹介したいと思います。
〈ビジターセンターでの業務〉
ビジターセンターから明神池コースのガイドウォークに参加しました。上高地に特徴的な植物をたくさん説明して頂いたので、私が特に印象的だったものを紹介します。
花の紫色がきれいな植物です。こんなにきれいな見た目をしているのに、有毒なので注意が必要です!ちなみに花言葉は、「騎士道」「栄光」と素敵な意味がある一方、「人間嫌い」「復讐」というネガティブな意味もあります。トリカブトの有毒さが上手く表現されていると思いませんか?
上高地のいたるところに広がっているこちらのササは、パッと見は普通なのですが、よく見ると写真のようにミシン目のような穴が開いている葉があります。これは、まだ若葉の時に葉がくるくると巻かれている状態で、蝶や蛾の幼虫が食べた跡なんだそうです!!
上高地と言ったらケショウヤナギギやハンノキ、カラマツなど、他にもご紹介したい植物はたくさんありますが、この辺で終わりにさせていただきます。ご興味をお持ちいただけましたら月水金は大正池コース、火木土は明神池コースで開催されていますガイドウォークにぜひご参加ください!
また、ビジターセンターには様々な植物が紹介されていたり、クマレクチャーが開かれたりしています。中々下界では見られない動植物を知ることができるので、お時間ありましたらお立ち寄りください~
〈園路の巡回・トイレ清掃〉
実際に園路を歩きながらゴミが落ちていないか、倒木しそうな木はないか、木道や橋は安全か、など様々な視点で巡視します。上高地はとても広いので、毎日歩いて点検するのはとても骨の折れる作業です。ですが、利用者が快適に過ごすために、自然環境を守るためには、なくてはならない仕事であると感じました。
園路の巡視と共に、トイレの清掃も行いました。自然公園財団が管理する全国の国立公園では、自然環境の保全に配慮して清掃の際に基本的には化学性の薬物を使わず、微生物の力を利用したバイオ水でお掃除をしています。汚れが出てからそれを落とす掃除が一般的だと思いますが、上高地では汚れを発生させない予防的清掃が行われています。山の上とは思えないほどきれいなトイレだったので、このような清掃方法でここまで衛生管理がされていることにとても驚きました。皆さまも、トイレをご利用の際は今回ご紹介したことを思い出していただき、自然環境保全にご協力をお願いします!!
〈野生動物対策〉
上高地にはサルやクマなどの野生動物が暮らしており、頻繁に目撃されます。本来サルもクマも怖い動物ではないのですが人馴れしてしまうと、人を攻撃してしまう可能性が高まります。そのためサル追いをしたり、餌付けを防ぐために食べ物が落ちていないかなどを巡視して調べたりしています。このような日々のお仕事が野生動物と共存するために重要であると感じました。
またクマはサクラの実を食べるので、その関係性をより詳しく調べるために、サクラ類の結実量のモニタリング調査も行いました。普段は、なかなか体験することができないような調査をさせていただき、とても貴重な経験になりました。
〈清掃登山〉
最後にご紹介するお仕事は清掃登山です。朝早く出発して、横尾から涸沢までの清掃を行いました。普段山登りをしないので登りきることができるか心配でしたが、道中にすれ違う登山客の方々に「ご苦労様です。」とお声がけいただいたのがとても励みになって、無事登りきることが出来ました。ゴミが落ちていないか、危ないところはないか、など様々な点に注意を向けながらの登山だったのでとても大変でしたが、上高地の貴重な自然を守るための重要な仕事であると実感しました。
今回のインターンシップを通して、様々な業務に関わることができ、勉強になることばかりでした。上高地という貴重な自然環境をどのように保全していくか、国立公園として環境保全と人の利用の両立の難しさなど、まだまだ思慮すべき課題もあり、職員の皆さんも模索されている姿が印象的でした。私も今回ここで得た知識や経験を、将来の仕事に生かせるよう頑張りたいと思います。
長くなりましたが、ここまでブログを読んでいただきありがとうございました。上高地は知れば知るほど魅力が増してとても素敵な場所なので、ぜひ一度お越しください!またお越しいただいた際には、利用者の皆様が快適に、そして自然環境を守るために活動している自然公園財団のことを思い出していただけると幸いです。