7月に入り、上高地も景色や気候などが夏らしくなってきました。いよいよハイシーズンを迎えるにあたり、散策に欠かせない楽しみの一つであるお花たちも、夏のものがぞくぞくと花を咲かせています。
上高地は散策がメインの場所とはいえ、あまり歩きたくない、歩けないといった方も少なくないかと思います。そこで今回は、何時間もかけずとも近場で見られるお花を景色も併せてご紹介します。
白い花が寄り集まって咲いており、ほわほわとした柔らかな印象のお花です。葉は雨や朝露などを弾き、水滴の粒一つひとつがクリスタルのように見えます。
群生して咲く本種は、今上高地で一番多く見られるお花といえます。場所によってはこうして遊歩道の両サイドに咲き誇り、カラマツソウに包まれているような気分を味わえます。
大きく川が曲がっている場所なので、大曲(おおまがり)と呼んでいるポイントです。
近くにベンチもあり、ゆるやかな流れの梓川と穂高連峰をゆったりと楽しめます。
背の高い花が多いなか、本種は小さめですが、濃い紫色が目を引くので見つけやすいです。花穂を「靫(うつぼ)」(武士が矢を入れて持ち歩いた用具のこと)に見立てたことが名前の由来だそう。
たくさんの白い小花を付けて咲く大型のお花。ひとつだけでも存在感があります。オオハナウドやシシウドといった同じ大型のセリ科の植物の中でも、いち早く咲く種です。
淡い紫色の細長い穂状の姿が特徴的です。虫に好かれるタイプのお花で、咲き始めたらすかさず蜂や蝶などが寄ってきます。
河童橋へと続く遊歩道は、穂高連峰を眺めつつ歩くことができます。朝もやの中だと幻想的で、昼間とは違う雰囲気です。
まだ花は開いていませんが、この少しピンクがかった蕾の頃が個人的に一番好きです。こちらも蝶などに人気のお花なので、虫たちは開花が待ち遠しいかもしれません。
黄色の小花が下の方から咲いていきます。実になるとトゲを持つので服などによく引っ付きます。身に覚えのある方もいるのではないでしょうか。
はっとするような朱色と反り返った花びらが特徴の美しいお花。名前にある「クルマ」は、葉が車輪のようについていることからだそうです。サルの好物でもあるので、ふと見たら花だけがなくなっている・・・なんて残念なこともあります。
一番最初に発見されたのは、ここ上高地だという縁のあるお花です。紫色が美しく、思わず手を伸ばしたくなりますが、全身が有毒なので触るのは要注意です。
小梨平は梓川沿いが開けていて、上流に穂高連峰、下流に焼岳を望めます。広々としているので、他の人を気にせずゆっくりできる場所です。
バスターミナルを起点に、中ノ瀬へは徒歩20分、小梨平へは徒歩10分ほどです。軽めの散策でもこういった景色やお花を楽しんでいただけます。
また、夏の上高地は、午前の方が比較的天気がよく、午後になると山に雲がかかり、時には夕立などの可能性もあります。散策は朝が断然おすすめです。今回の写真も全て朝に撮ったものです。
爽やかな夏の上高地をぜひ体験しに来てください!
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