国立・国定公園を中心とした自然保護行政のあゆみ(年表)

暦年 事項
1921 内務省国立公園候補地に係る調査始まる
1927 国立公園協会の発起人会(国立公園協会発足)
1929 国立公園協会機関誌「國立公園」創刊
1930 内務省に国立公園調査会設置
1931 国立公園法制定(10月施行、所管・内務省衛生局保健課)
1932 内務省、12カ所の国立公園候補地選定
1934 瀬戸内海、雲仙、霧島 3国立公園指定
阿寒、大雪山、日光、中部山岳、阿蘇 5国立公園指定
1936 十和田、富士箱根、吉野熊野、大山 4国立公園指定
1938 厚生省設置(国立公園の所管は体力局施設課)
1941 国立公園協会内に国土計画対策委員会を設置して9国立公園候補地を決める、国立公園協会長名で10国立公園候補地を建議
1943 国立公園協会を国土健民会に改称、機関誌「國立公園」を「国土と健民」とする
1944 国立公園行政停止
1945 国立公園行政が復活(所管は厚生省健民局保健課)
1946
伊勢志摩国立公園指定
1947 国土健民会を解散し、国立公園研究会設立
国立公園中央委員会設置
1948 公衆衛生局に国立公園部設置
国立公園協会機関誌「國立公園」復刊
1949 国立公園に対するリッチー覚書受理
吉野熊野国立公園拡張(潮岬地域)
国立公園法改正(受益者負担、特別保護地区、国立公園に準ずる地域(国定公園)の制度化)
支笏洞爺国立公園指定
上信越高原国立公園指定
国立公園協会再発足(1950年財団法人国立公園協会になる)
1950 国立公園施設整備に対する国庫補助開始
瀬戸内海国立公園拡張(鳴門、淡路島、宮島等)
秩父多摩国立公園指定
「自然に親しむ運動」スタート
琵琶湖国定公園指定
佐渡弥彦国定公園指定
耶馬日田英彦山国定公園指定
磐梯朝日国立公園指定
日光国立公園拡張(那須、塩原、鬼怒川地域)
1952 自然公園選定要領策定(国立公園審議会答申)
19カ所の自然公園候補地決定(国立公園審議会答申)
1953 国立公園管理員を初めて配属(支笏湖畔、休屋、日光湯元、河口湖、上高地、大山寺)
阿蘇国立公園拡張(由布、鶴見、高崎山地域)
集団施設地区の土地を林野庁から厚生省へ所管換(支笏湖、日光湯元、上高地)
1954 19カ所の自然公園候補地の指定方針(国立公園とするか、国定公園とするか)の決定(国立公園審議会答申)
1955 富士箱根国立公園拡張(伊豆半島地域)、富士箱根伊豆国立公園と名称変更
西海国立公園指定
伊豆七島、足摺 2国定公園指定
陸中海岸国立公園指定
若狭湾、日南海岸 2国定公園指定
天草、山陰海岸 2国定公園指定
白山国定公園指定
錦江湾国定公園指定
北長門海岸、秋吉台、石鎚 3国定公園指定
1956 瀬戸内海国立公園拡張(六甲地域、高崎山地域は阿蘇国立公園から移動)
玄海国定公園指定
十和田国立公園拡張(八幡平地域)、十和田八幡平国立公園と名称変更
上信越高原国立公園拡張(妙高、戸隠地域)
雲仙国立公園拡張(天草地域)、雲仙天草国立公園と名称変更
1957 国定公園に対する国庫補助開始
自然公園臨時指導員制度発足(後に、自然公園指導員と改称)
自然公園法制定(10月施行)
5カ所の国定公園候補地選定 (自然公園審議会答申)
1958 三河湾、金剛生駒 2国定公園指定
網走、大沼 2国定公園指定
南房総国定公園指定
国立公園管理員の定員化
1959 水郷国定公園指定
第1回国立公園大会開催(日光湯元)
自然公園区域内における森林の施業について林野庁と取り決め
1960 国民休暇村構想発表(厚生省)
日光国立公園管理事務所設置
1961 4カ所の国立公園候補地選定 (自然公園審議会答申)
1962 8カ所の国定公園候補地選定 (自然公園審議会答申)
若狭湾国定公園拡張(敦賀半島地域)
白山国立公園指定(白山国定公園の昇格)
富士箱根伊豆国立公園管理事務所設置
第1回世界国立公園・保護地域会議(シアトル)
1963 大山国立公園拡張(隠岐島、島根半島、三瓶山、蒜山地域)、大山隠岐国立公園と名称変更
山陰海岸国立公園指定(山陰海岸国定公園の昇格)
ニセコ積丹小樽海岸、鳥海、比婆道後帝釈 3国定公園指定
蔵王国定公園指定
日光湯元に日本最初のビジターセンター建設
狩猟法を一部改正し、題名を「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」に改正
1964 飛騨木曽川、剣山 2国定公園指定
霧島国立公園拡張(錦江湾国定公園区域及び屋久島地域)、霧島屋久国立公園と名称変更
知床、南アルプス 2国立公園を指定
陸中海岸国立公園拡張(釜石以南の地域)
八ヶ岳中信高原、室戸阿南海岸 2国定公園指定
厚生省設置法改正、国立公園部は国立公園局に昇格
富士箱根伊豆国立公園拡張 (伊豆七島国定公園区域)
水郷国定公園一部削除(鹿島地域)
1965 阿蘇国立公園拡張(横断道路沿線)
丹沢大山、祖母傾 2国定公園指定
吉野熊野国立公園拡張(洞川地域)
利尻礼文国定公園指定
南房総国定公園拡張(館山地域)
三河湾国定公園拡張(伊良湖地域)
1966 土地の公有地化に対する補助制度
地方交付税法の一部改正(特別保護地区内の土地の固定資産税減免措置)
自然公園制度の基本的方策(自然公園審議会中間答申)
自然公園等保全整備促進中央協議会設立
1967 高野龍神国定公園指定
10カ所の国定公園候補地並びに拡張候補地3カ所選定(自然公園審議会答申)
雲仙天草国立公園拡張(天草五橋沿線)
明治の森高尾、明治の森箕面 2国定公園指定
第1回日米国立公園会議開催
1968 自然公園制度の基本的方策答申(自然公園審議会)
能登半島、越前加賀海岸 2国定公園指定
若狭湾国定公園拡張(丹後半島地域)
下北半島、栗駒、鈴鹿、壱岐対馬 4国定公園指定
玄海国定公園拡張(松浦地域)
瀬戸内海国立公園拡張(五色台地域)
厚生省国立公園局が厚生省大臣官房国立公園部となる
1969 東海自然歩道構想発表
天竜奥三河、西中国山地 2国定公園指定
水郷国定公園拡張(筑波山地域)、水郷筑波国定公園に名称変更
妙義荒船佐久高原、氷ノ山後山那岐山 2国定公園指定
阿寒国立公園管理事務所設置
1970 自然公園法改正(海中公園地区制度の創設)
自然公園法施行令改正(知事委任事項の拡大)
吉野熊野国立公園拡張(鯖浦地域)
海中公園地区指定(10地区)
都道府県立自然公園の施設整備補助制度(国民休養地制度)発足
自然公園法改正(自然の保護に関する国等の責務、国立、国定公園内の清潔の保持、指定湖沼への排水規制)
愛知高原、揖斐関ヶ原養老、室生赤目青山、大和青垣の4国定公園指定(東海自然歩道沿線)
天竜三河、飛騨木曽川、鈴鹿、琵琶湖各国定公園拡張(東海自然歩道関連)
十和田八幡平国立公園管理事務所設置
瀬戸内海国立公園管理事務所設置
1971 陸中海岸国立公園拡張(久慈海岸地域)
若狭湾国定公園拡張(三方五湖地域)
環境庁発足(自然公園の所管は自然保護局)
「尾瀬自動車道路の工事中止について」閣議了解
国立公園候補地選定(小笠原、利尻礼文、足摺、西表・自然公園審議会答申)
8カ所の国定公園候補地選定 (自然公園審議会答申)
自然公園選定要領改正
1972 国立・国定公園内の民有地買上げ制度(交付公債による土地買上げ制度)発足
沖縄返還に伴い、3琉球政府立公園を西表国立公園、沖縄海岸国定公園、沖縄戦跡国定公園として指定
自然環境保全法制定(1973年10月施行)
中部山岳国立公園管理事務所、西表国立公園管理事務所設置
尾瀬ゴミ持ち帰り運動始まる
小笠原国立公園指定、北九州国定公園指定
磐梯朝日国立公園拡張(羽黒地域)
足摺宇和海国立公園指定(足摺国定公園の昇格及び周辺地域の拡張)
1973 自然環境保全基礎調査(通称「緑の国勢調査」)開始
男鹿、越後三山只見 2国定公園指定
吉野熊野国立公園管理事務所、大山隠岐国立公園管理事務所設置
自然公園法施行令改正(普通地域の行為規制の強化、公園事業施設からゴルフ場を削除)
自然環境保全審議会・自然公園部会長談話(大雪山道路の中止に関して)
自然環境保全基本方針閣議決定
国立公園計画の再検討開始
1974 日豊海岸、奄美諸島 2国定公園指定
国立公園内における自動車利用適正化要綱(マイカー規制)制定
自然公園法施行規則の一部改正(特別地域の地種区分)
国立公園内の清掃活動費補助制度、国立・国定公園内のオニヒトデ駆除事業費補助制度始まる
自然保護憲章制定
利尻礼文サロベツ国立公園指定(利尻礼文国定公園区域にサロベツ地域を追加し昇格)
「国立公園内(普通地域を除く)において各種行為に関する審査指針」(自然保護局長通知)
国立・国定公園内における地熱開発の取り扱い方針を定める
1975 富士箱根伊豆国立公園拡張(北富士地域)
津軽国定公園指定
文化庁より環境庁へ特殊植物保全事業を移管
自然保護局に保護管理課を設置、休養施設課を施設整備課へ改組
吉野熊野国立公園拡張(鬼ヶ城以北地域)
上高地マイカー規制スタート
1977 伊勢志摩国立公園拡張(南島町海岸地域)
阿寒国立公園拡張(藻琴山、裏摩周地域)
1978 沖縄海岸国定公園拡張(慶良間諸島地域)
1979 南三陸金華山国定公園指定
国立公園の公園計画作成要領決定(国立公園計画標準の全面改定)
国立・国定公園内における地熱開発に関する意見書(自然環境保全審議会)
国立公園現地管理体制整備(ブロック制導入・許認可の所長専決開始)
1980 ふるさと自然公園国民休養地制度発足
国立公園管理計画作成開始
ワシントン条約、ラムサール条約に加入
1981 佐渡弥彦国定公園拡張(米山地域)、佐渡弥彦米山に名称変更
環境庁自然保護局企画調整課に自然環境調査室を設置
日高山脈襟裳国定公園指定
自然公園50周年記念式典開催
1982 九州中央山地国定公園指定
早池峰国定公園指定
自然公園法施行規則改正(都市公園施設のうち園内移動用のモノレール等を不要許可行為から除く)
1983 霧島屋久国立公園拡張(屋久島西北部地域)
1984 国立・国定公園内におけるヘリコプターの乗入れ規制について(通知)
環境影響評価の実施について閣議決定(閣議アセスの開始)
1985 パークボランティア制度開始
1986 環境庁自然保護局に野生生物課及び鳥獣保護業務室設置(鳥獣保護課を廃止)
阿蘇国立公園を阿蘇くじゅう国立公園に名称変更
1987 総合保養地域整備法(リゾート法)制定
釧路湿原国立公園指定
釧路湿原国立公園管理事務所設置
絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律制定
1989 自然公園の利用のあり方について(自然環境審議会答申)
1990 普通地域におけるゴルフ場造成計画に対する指導指針(自然保護局長通知)
自然公園法改正(車馬の乗り入れを規制地域、動植物等の殺傷・損傷の規制)
暑寒別天売焼尻国定公園指定
1991 自然保護局に国立公園課を設置(保護管理課を廃止)、企画調整課に自然ふれあい推進室を設置
自然公園リフレッシュトイレ作戦開始
自然公園法施行令改正(公園事業の種類に動物繁殖施設等を加える)
1992 世界遺産条約に加入
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)制定
1993 ラムサール条約第5回締約国会議(釧路市)
環境基本法制定
世界遺産条約に基づき白神山地及び屋久島が自然遺産として世界遺産一覧表に記載される
生物多様性条約に加入
第1回東アジア国立公園保護地域会議(北京)
1994 環境基本計画を閣議決定
自然公園等事業の公共事業化
国立公園管理事務所を国立公園・野生生物事務所に改称(種の保存法に関する業務を追加)
自然公園法施行令、同施行規則改正(公園事業の届出書類の廃止等)
1995 自然公園等における自然とのふれあいの確保の方策について(自然環境保全審議会答申)
生物多様性国家戦略の策定(地球環境保全に関する関係閣僚会議)
自然公園等核心地域総合整備事業(緑のダイヤモンド計画)開始
1996 金剛生駒国定公園拡張(葛城及び紀泉山地地域)、金剛生駒紀泉と名称変更
自然公園法施行令改正(植生復元施設等を補助対象施設に追加)
1997 第2回東アジア国立公園保護地域会議、釧路で開催
国際サンゴ礁イニシアティブ(ICRI)第2回東アジア海地域会合(沖縄県)
環境影響評価法制定
1998 生物多様性センター設置(山梨県富士吉田市)
北長門海岸国定公園拡張(見島、角島等)
1999 山岳環境浄化・安全対策緊急事業費補助制度創設(民間山小屋への補助制度)
2000 新環境基本計画閣議決定
国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター設置(石垣市)
自然公園法、同施行令、同施行規則改正(地方分権一括法の施行に伴い国立公園の許認可事務は直接執行化、
経過措置として都道府県が法定受託事務として実施することも可能、行為許可の基準を自然公園法施行規則に規定等)
国立公園・野生生物事務所を自然保護事務所に、国立公園管理官を自然保護官に改組(鳥獣保護業務を追加)
秩父多摩国立公園を秩父多摩甲斐国立公園に名称変更
2001 省庁再編により環境庁は環境省に、自然保護局は自然環境局に再編
2002 新・生物多様性国家戦略策定(地球環境保全に関する関係閣僚会議)
鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律を全部改正し、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律として制定
自然再生推進法制定
2003 自然公園法改正(生物多様性保全の責務、利用調整地区制度、風景地保護協定、指定動物の捕獲規制等)
遺伝子組換え生物の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律制定
2004 自然公園法施行規則改正(風力発電施設に係る審査基準の設定)
特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律制定
2005 地方環境事務所の設置(自然保護事務所の業務は地方環境事務所に移る)
自然公園等事業整備費補助金廃止、国定公園の整備支援のための自然環境整備交付金創設(三位一体改革の一環)
世界遺産条約に基づき知床が自然遺産として世界遺産一覧表に記載される
2006 自然公園法施行令改正(特別保護地区における動植物の放出等の規制)
2007 自然環境計画課内に生物多様性地球戦略企画室を設置
エコツーリズム推進法制定
西表石垣国立公園拡張(石垣島地域)
丹後天橋立大江山国定公園指定
日光国立公園から尾瀬国立公園を分離独立
国立・国定公園の指定及び管理運営に関する提言
第三次生物多様性国家戦略を閣議決定
2008 生物多様性基本法制定
2009 自然公園法改正(海域公園地区制度、生態系維持回復事業等)
2010 生物多様性国家戦略2010を閣議決定
国立・国定公園総点検事業の結果の公表
生物多様性条約第10回締約国会議開催  (名古屋市)
「地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動等に関する法律」(生物多様性地域連携促進法)制定
2011 日光国立公園  那須平成の森  開園
我が国における海洋保護区の設定のあり方について(総合海洋政策本部会合了承)
世界遺産条約に基づき小笠原諸島が自然遺産として世界遺産一覧表に記載される
自然環境計画課内に生物多様性施策推進室を設置
アジア国立公園会議準備会合開催
2012 霧島屋久国立公園を霧島錦江湾国立公園と屋久島国立公園に分離独立
温泉資源の保護に関するガイドライン(地熱関係)の策定
国立・国定公園内における地熱開発の取扱いについて(通知)
三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興のビジョンの策定
生物多様性国家戦略2012-2020を閣議決定
2013 野生生物課内に希少種保全推進室を設置
三陸復興国立公園の指定
第1回アジア国立公園会議開催(仙台市)
みちのく潮風トレイル一部開通(八戸市蕪島〜久慈市小袖)
2014 慶良間諸島国立公園の指定
「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」を「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に改正
「地域自然資産区域における自然環境の保全及び持続可能な利用の推進に関する法律」(地域自然資産法)制定
国立公園指定80周年記念事業開催
2015 上信越高原国立公園から妙高戸隠連山国立公園を分離独立
甑島国定公園指定
三陸復興国立公園拡張(南三陸金華山国定公園の指定解除)
国立公園課内に国立公園利用推進室を設置(総務課自然ふれあい推進室を廃止)
自然公園法施行規則改正(太陽光発電施設に係る審査基準の設定)
国立・国定公園内における地熱開発の取扱いについて(通知改正)
吉野熊野国立公園拡張
2016 京都丹波高原国定公園指定
西表石垣国立公園拡張
やんばる国立公園指定
2017 奄美群島国立公園指定
阿寒国立公園から阿寒摩周国立公園へ名称変更及び区域拡張
2018 やんばる国立公園拡張
2019 みちのく潮風トレイル全線開通
自然公園法施行規則改正等(分譲型ホテル等を認可する際の審査基準の設定)
2020 中央アルプス国定公園指定
2021 厚岸霧多布昆布森国定公園指定
世界遺産条約に基づき奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島が自然遺産として世界遺産一覧に記載される
自然公園法改正(利用拠点整備改善計画制度、自然体験活動推進計画制度等)
2022 生物多様性条約第15回締約国会議(カナダ・モントリオール)において「昆明・モントリオール生物多様性枠組」を採択
国立・国定公園総点検事業フォローアップ結果の公表