今は野鳥たちにとって大切な繁殖の季節。そこかしこで巣が作られ、ヒナが生まれ、そのお世話で大わらわの親鳥たちが見られます。
その中でも、インフォメーションスタッフが目下注目しているのが、こちら。
ヤナギの幹に開けられた二つの穴は、どちらも鳥の住まい。ツリーハウスならぬツリーマンションとなっています。
まずご紹介する入居者は、下の階に住むアカゲラさんです。
住まいからは元気なヒナちゃんの声が聞こえ、それが巣を見つけるきっかけとなりました。
こちらはパパさん。アカゲラの特徴である背中の白い「逆さ八の字」が、通常より丸っぽく太いのが彼の個性のポイントです。
ひっきりなしに餌を運ぶ、働き者で子煩悩なイクメンぶりに感心しながらも、ひとつ心配事が。
実は観察を始めてから今まで、ママさんの姿を見かけたことがないのです。偶々だろうと考えたい反面、厳しい自然界、もしかしたらパパだけになってしまった可能性もあるわけで……。
しかしながら、ヒナちゃんはすくすくと順調に成長しています。一体何羽いるのか、わかるのは巣立ちの時になるのでしょう。楽しみです。
片や上の階。こちらはゴジュウカラさんが住んでおり、同じく子育てに奔走中です。餌を運んだり、ヒナの出した糞を片付けたりと忙しく甲斐甲斐しい様子はアカゲラさんにも負けません。
オスメスほぼ同色なので見分けるのは難しいですが、巣立ちまでにはできる…はず……であってほしい(弱気)
さて、これだけ住居が近いのならと、アカゲラ×ゴジュウカラの2ショットを狙っているのですが、なかなかかち合うことがありません。
互いの巣の様子を気にする素振りもあるので、もしかすると気を遣い合っているのかも。よきご近所付き合いができているようでなによりです。
そんな賑やかなマンションは他の鳥たちも興味があるのか、訪問者が現れることも。
アカゲラさんの巣の前を通りかかったのはメジロさんです。気になったのか中を覗き込むようにすると、ヒナちゃんもちらりと暗がりから顔を覗かせごあいさつ。
ほんの束の間の交流でしたが、素敵な場面に遭遇できてラッキーでした。
こうした野鳥の観察には、忍耐も必要ですが、適度な距離感も大事です。
近距離で見たい気持ちはとてもよくわかりますが、繁殖はデリケートなもの。親鳥にストレスがかかり、巣を放棄してしまうこともあります。
優しい気持ちでそっと見守ってあげてくださいね。
~がんばれ野鳥たち!2021バックナンバーズ~
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