上高地の木々からこぞって緑の葉っぱが顔を出し始めました。
新緑の季節が間もなく上高地に訪れようとしています。
葉っぱが展開し始めるころに合わせて、渡り鳥たちが長い旅を経て上高地に舞い降ります。
その多くは冬の間南方で越冬し、春の訪れに合わせて戻って来ます。
5月はまだ木々の葉っぱが芽吹いていない、若しくは伸び切っておらず、鳥たちを観察するにはもってこいの時期!
一際森の中に響くさえずりがありました。
ミソサザイです。
他の鳥に先がけて、上高地にやってきます。
せせらぎ近くで尾羽を立てながら、さかんにさえずります。
湿原の木道の脇で雌雄仲良くエサを探しながら地面をついばんでいたアオジ。
種子や昆虫などを探しているのでしょうか?
ヒタキ科の中でも、ルリビタキは上高地の開山時には出会えてしまいます。
ブルーにイエローの配色が素敵です。
この個体はブルーが濃いので、成熟したオスのようです。
繁殖は上高地よりも標高が高い亜高山帯。
登山者の皆さんは一度は耳にしたことがあるさえずり。
聞きなしは、「ルリビタキだよ」。
人によってはそうは聞こえないと言いますが、私はこの聞きなしが割と合っていると思います。
コサメビタキも、入山後すぐにさえずりやその姿を目にすることができました。
バスターミナル周辺のカラマツ林の梢を飛び回っていました。
前述のミソサザイやアオジ、ルリビタキといった国内で移動する種類とは違い、遠く東南アジア方面から渡ってくる彼ら。その小さな体のどこにそんなパワーを宿しているのか、不思議でなりません。
首をかしげるポーズをする訳は・・・
一般的な鳥は目玉を動かすことが不得意なので、頭ごと動かして上空などを確認しているそうです。
私たち人間から見ると、かわいらしい姿です。
湿原の樹林のなかで、キビタキがオオルリを追いかけていました。ヒッヒッ、キュルルルといった声を出しながら威嚇しています。
このキビタキはオレンジ部分がほとんどなく、黒い部分もまだ淡いように思えました。
まだ若い個体でしょうか?
オスの黒、黄、白それぞれの色味はキビタキ社会で重要なメッセージ、優位性を発しているそうです。
キビタキに追いかけられてもなお、オオルリは隙あらばといった感じでマイペースにさえずり続けます。
いつの間にかキビタキの方が場所を移していました。
軍配はどうやらオオルリに上がったようです。
にぎやかな野鳥の声に彩られている春の上高地。
そっと立ち止まって観察すると、思ったより身近に鳥がいるかもしれませんよ(^^
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上高地では約150種類の野鳥が確認されています。本書ではそのうちの110種を掲載しています。
2012年の初版発行から2回の改訂を重ね、写真も更に野鳥たちの特徴をとらえたものに差し替えています。
著者は上高地ビジターセンターに20年以上勤務する前田篤史氏。(ガイドネーム「上高地のとりクン」として活動)
上高地で野鳥を楽しむなら持ち合わせたい必読書です。
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