入賞作品が決定しました!
今回のコンテストでは、全国から素晴らしい作品を多数ご応募いただきました。誠にありがとうございました。
厳正な審査の結果、応募作品の中から選ばれた入賞作品を発表いたします。
入賞者のお名前は、敬称を略させていただきました。
【総評】
世界的な異常気象による風水害、雪害、竜巻等々、近年世界各地で甚大な被害、悲しい出来事が多々発生しています。「自然界に生きる動物たち」はどうしているのだろうかと、心を痛めています。
さて、今回の野生動物写真コンテストの応募総数は1364点、応募者数は474名でした。前年よりやや少なくなって残念に思います。応募作品の対象はそれぞれ多方面にわたり、自然の中で自由に生きる動物の数々、名前は知っていても初めて見る昆虫たち、珍しい動作、光景等々見せていただき私も勉強になりました。
傾向として、身近に見られる鳥類、昆虫類が多く、動物はいささか少なかったように思います。
次回もまた、傑作が多数応募されるのをお待ちしております。
審査員長 田中 光常
| 最優秀賞・環境大臣賞 | 優秀賞 | 入選 | 子ども部門賞 | 佳作 |
最優秀賞・環境大臣賞(1点)
最優秀賞・環境大臣賞
- 「そこのけ そこのけ」(鮎とカルガモ)
- 撮影地:静岡県清水町 柿田川公園
- 撮影者:宮田 惣太(14歳)
<講評>
澄み切った川の中、大群のアユを左右に分けて進むカルガモの姿は大変珍しく、またとない場面を捉えられました。カルガモの色彩も良く、水面の様相も面白くでています。サカナの群れにもピントが確実にきて、統一された色彩で、一匹一匹泳ぎ流れている姿が判明できます。
優秀賞(3点)
里地里山里海部門賞・環境省自然環境局長賞
- 「旅の途中」(セイタカシギ)
- 撮影地:福岡県鞍手郡鞍手町
- 撮影者:森本 義光
<講評>
美しい緑の稲の列を、二羽のセイタカシギが傍若無人に細長い脚で踏みつけ餌を啄んでいます。二羽の姿も美しく画面に収まり、手前の水面に逆さに映った姿も素晴らしく、ピントも正確でした。
子ども部門賞・田中光常記念賞
- 「ぼくが守る」(タガメ)
- 撮影地:撮影地:兵庫県佐用町
- 撮影者:中村 日和登(10歳)
<講評>
水の張られた田んぼの中、瑞々しい緑の稲に逆さになって卵を守っているタガメの姿、私も初めて見る昆虫でしたので驚きました。卵が羽化するまでこのまま待っているのでしょうか?全体の色彩も、昆虫の艶もよくでて、ピントも正確でした。美しい緑の中、卵の孵るのが待ち遠しいですね!
自然公園財団理事長賞
- 「日なたぼっこ」(オシドリ)
- 撮影地:北海道札幌市 円山公園
- 撮影者:須藤 修作
<講評>
明るい日差しのもと、大きな岩の上で十三羽ものヒナを周りに従えた母親が憩っています。よくもまあこんなに纏められたものと感心しました。親の胸の模様も岩の上のヒナたちの色彩もはっきりと合い、バックの若葉の緑が日向ぼっこしている親子の周りを楽しそうに包んでいます。
- 「食欲旺盛」(アオサギ)
- 撮影地:北海道函館市
- 撮影者:山口 健一
<講評>
両翼を精一杯広げて大口を開けたヒナが、大きなサカナを飲み込もうとしている姿は見事です。しかし、その後に重なってしまったトリは少々うるさく、右側の二羽も同様です。角度を考えて撮ることも肝要だと思います。
- 「順番、順番」(オオヨシキリ)
- 撮影地:埼玉県さいたま市 秋ヶ瀬公園
- 撮影者:上見 正治
<講評>
アシの茎に器用に止まって餌を差し出す母親に、子作りな巣の中の四羽のヒナたちが大口を開けておねだりしています。巣のバックが黒くつぶれているのがトリたちの様子を目立たせて良かったと思います。母親や巣の中のヒナたち等、全体の色彩もピントも結構でした。
- 「渓流を眺める」(カエル)
- 撮影地:新潟県湯沢町 清津川
- 撮影者:志田 成正
<講評>
川の畔にどっかり座ったカエルの表情?が面白く、落ちついた色彩で、形体、模様等がよく捉えられています。暖かな太陽に照らされて、至極気持ちよさそうに鎮座しています。
- 「トリプルゲット」(アオサギ)
- 撮影地:京都府京都市 鴨川
- 撮影者:五宝 繁
<講評>
今まで、小魚を何匹も嘴にくわえて飛んでいる姿は見かけていましたが、一匹ずつとっていくのかな?それとも一遍にずずーっと嘴を滑らせてとるのかな?と言う疑問が解けました。画面の中心においたアオサギの首のしなり具合に動きが感じられ、アウトフォーカスになったバックのサギたちが賑やかさを漂わせています。
- 「子育て」(カラス)
- 撮影地:埼玉県加須市 久下公園
- 撮影者:斉藤 啓助
<講評>
カラスの巣は案外見つけにくいものですが、良い所がありましたネ。画面の中心にこの二股の大雑把に組まれた巣のヒナを置き、その両側に餌を与える母親?とそれを見守る父親?を配し安定させて、とても和やかな雰囲気をつくり出しています。
- 「親子の絆」(タマシギ)
- 撮影地:京都府京都市
- 撮影者:水中 伸浩
<講評>
ヒナを抱え込んで水面に立つ親鳥の愛ある姿です。緑の草をバックに整えた画面はとても安らいだ気分にさせてくれます。トリたち、植物も、ピントも、色彩共々良かったと思います。
- 「絆」(タマシギ)
- 撮影地:愛知県豊田市
- 撮影者:石岡 均
<講評>
大きく左右に翼を広げ、子供を守るため侵入者を威嚇している姿は健気です。広げた翼と逆立てた頭の羽の一枚一枚、複雑な模様と色彩も美しくピントも素晴らしいと思います。タマシギはオスよりメスの方が美しいとか、これは母親の怒りの姿なのでしょう。
- 「カメムシの卵と幼虫」(カメムシ)
- 撮影地:神奈川県平塚市 霞町公園
- 撮影者:野村 昌弘
<講評>
カメムシの卵と幼虫は今まで見たことも知識もなくて何とも申し上げようが無く困りました。葉の裏側の状態は平面なので、画面いっぱいに切り取った葉の姿も良く、バックの暗い色も葉の色彩を引き立たせ良かったと思います。
- 「アタック」(ミノカサゴ)
- 撮影地:沖縄県本部町 瀬底島
- 撮影者:佐野 しゅんじ
<講評>
水中のミノカサゴの姿は、バックに煩わしいものが無いのですっきり美しく浮かび上がり、空中に羽ばたいているように見えます。岩の周りの小魚スカシテンジクダイの群れに突進する姿は勇ましくもあり、波の様に流れるテンジクダイの様相も面白いと思います。
- 「カメムシの館」(カメムシ)
- 撮影地:島根県松江市
- 撮影者:鶴島 里子
<講評>
ハスの実のあいている穴に、カメムシが寝心地良さそうに宿を借りています。雨が降ったらどうするのでしょう?ハスの実の全体の形の美しさ、色彩の妙、画面に無駄なものが無く、美しいハスの実だけをクローズアップに取り上げたのは最高でした。
子ども部門賞(3点)
- 「ペアで眠るZZZ…」(ヤンバルクイナ)
- 撮影地:沖縄県国頭村
- 冨井 樹(11歳)
- 「おいしそうなおやつだ」(サワガニ)
- 撮影地:静岡県静岡市
- 永井 優花(13歳)
- 「飛ぶカミキリ虫」(ゴマダラカミキリ)
- 撮影地:宮崎県宮崎市
- 比江島 尚真(14歳)
佳作(20点)
- 運ぶ(オオフタオビドロバチ)
- 井上 佳計
- いま、脱いでいるの!(ミヤマフキバッタ)
- 中内 謙治
- 赤い実とトラツグミ(トラツグミ)
- 桑原 文夫
- 六つの目(アオバズク)
- 吉田 伸一
- 弱肉強食
(スズメバチ、キボシアシナガバチ) - 野原 健二
- カイツブリ親子の散歩(カイツブリ)
- 山口 正明
- ヒメシジミの結婚(ヒメシジミ)
- 干村 隆司
- 母の愛(オシドリ
- 伊藤 泰愛
- 前に並んで全員進め!(カルガモ)
- 岡田 宜久
- 北のアイドル(スナビクニン)
- 原澤 宏
- 助けてー(ヤマカガシ、カエル)
- 田中 陽子
- 夏の夜の変身(ミンミンゼミ)
- 伊藤 信男
- 大きくなれよ(ニュウナイスズメ)
- 畠山 昌孝
- 青い海とアオバト(アオバト)
- 渡部 勇
- 私の場所(オナガバチ)
- 吉田 文雄
- 魅惑の赤足(ケイマフリ)
- 水谷 祥彦
- 命を繋ぐ-いのちをつなぐ-(ヒグマ)
- 前田 英史
- 北のカルメン(エゾナキウサギ)
- 安孫子 勝
- 滑走(オオワシ)
- 鈴木 靖博
- 襲う(オジロワシとオオワシ)
- 池田 一政
※写真の無断転載を禁じます
「野生動物写真コンテスト~自然界に生きる野生動物たち~」は、次の皆様のご協力をいただいて開催しております。(敬称略・50音順)
- 朝日新聞社
- 環境省
- キヤノンマーケティングジャパン株式会社
- 公益信託自然保護ボランティアファンド
- 全日本写真連盟
- WWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)
- ディスカバリー・ジャパン株式会社(アニマルプラネット)
- 富士フイルム株式会社