第11回 野生動物写真コンテスト 入賞作品(平成30年度)

入賞作品が決定しました!

 今回のコンテストでは、全国から素晴らしい作品を多数ご応募いただきました。誠にありがとうございました。
 厳正な審査の結果、応募作品の中から選ばれた入賞作品を発表いたします。
 入賞者のお名前は、敬称を略させていただきました。


【総評】
 今年も応募作品を拝見するのを楽しみに審査会場に行きました。
 今回は289名の方から964点の応募がありました。内中学生以下の応募者が18名、67点でした。
 審査は環境省や各方面から6名の審査員による投票で審査は進められました。
 自然公園財団という立場から禁止区域等で撮影されたと思われる作品は審査対象外としました。沢山の作品の中から選考するのは大変でしたが皆さんの投票の結果、今回の最優秀賞は土屋幸子さんのエゾオコジョが選ばれました。
 上位に選ばれるような作品は全体的に言えることですが作品の画面構成がシンプルで作品のポイントとなる被写体が明確に表現されている力強さがあるということです。煩雑な画面の作品では写真の訴える力が弱くなります。
 写したいメインの被写体のみならず背景も作品の出来栄えに重要な役割を持っていますので注意して撮影をしてください。

 次回も沢山の作品を拝見できることを楽しみにしています。

動物写真家 浅尾 省五

| 最優秀賞・環境大臣賞 | 優秀賞 | 入選 | 子ども部門賞 | 佳作 |

最優秀賞・環境大臣賞(1点)

「こんにちは」(エゾオコジョ)

最優秀賞・環境大臣賞

「こんにちは」(エゾオコジョ)
撮影地:大雪山国立公園
撮影者:土屋 幸子

<講評>
岩の間から顔を出したエゾオコジョを真正面からとらえた素晴らしい作品です。エゾオコジョはとても素早く、カメラに収めるだけでも大変なのに、生息している環境もしっかりと写し込まれており、小さくすばしっこいエゾオコジョをここまでの作品に仕上げられる技量は並みの方ではないと察します。

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優秀賞(3点)

「木枯し紋次郎ふうに撮って!」(ナキウサギ)

里地里山里海部門賞・環境省自然環境局長賞

「木枯し紋次郎ふうに撮って!」(ナキウサギ)
撮影地:美瑛町望岳台
撮影者:森谷 幸治

<講評>
小さなナキウサギが岩場で枯葉の中にたたずむかわいい写真です。口にくわえた小枝や綺麗にそろった白い両手もポイントで、環境に溶け込み普通では見過ごすような瞬間をよくとらえられています。

「指揮者見ぃつけた」(キジ)

子ども部門賞・田中光常記念賞

「指揮者見ぃつけた」(キジ)
撮影地:滋賀県高島市
撮影者:田中 碧(13歳)

<講評>
オスキジが羽ばたく瞬間を写しとめた作品です。キジの羽ばたきはほんの一瞬で、ベテランのカメラマンでも写すのはなかなかむずかしいのに13才の中学生が見事に射止めておられます。この方はきっとキジの習性を観察し、次に何が起こるかを予測する素晴らしい感覚をお持ちの方だと察します。

「羽化」(アオサナエ)

自然公園財団理事長賞

「羽化」(アオサナエ)
撮影地:東京都西多摩郡日の出町 平井川
撮影者:倉石 陸都

<講評>
トンボの羽化の瞬間を真正面から左右対称的に狙った素晴らしい作品です。暗い背景の中で緑のトンボがよく映えています。作者の狙い方が素晴らしい。

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入選(10点)

「舌で捕らえた瞬間」(カエル、ギンヤンマ)
「舌で捕らえた瞬間」(カエル、ギンヤンマ)
撮影地:兵庫県稲美町 稲美中央公園
撮影者:五藤 勝之

<講評>
ギンヤンマがカエルに捕らえられる瞬間を見事にとらえられています。きっと何が起こるかを予測し長い時間待っての瞬間だと思います。目の付けどころが素晴らしいです。もう少し右に回ることができていたらカエルにもピントが来てより素晴らしくなったように思います。

「海中散歩」(カミソリウオ)
「海中散歩」(カミソリウオ)
撮影地:静岡県沼津市大瀬崎
撮影者:原澤 宏

<講評>
なんだろうと思わせる不思議な写真です。めずらしいカミソリウオを広角レンズで近寄り、背景を大きく取り込んだ作品で青と赤のコントラストがすばらしいです。

「たそがれの姫」(ヒメカマキリ)
「たそがれの姫」(ヒメカマキリ)
撮影地:長浜市 琵琶湖国定公園
撮影者:田中 伸征

<講評>
ヒメカマキリを至近距離に置き、広角レンズで背景の虹を大きく入れた作品に感心します。写真はメインの被写体と同等に背景を意識することが大事です。カマキリにも陽があたっていればもっと浮き上がって面白い作品になったかもしれませんね。

「空飛ぶハンカチ」(エゾモモンガ)
「空飛ぶハンカチ」(エゾモモンガ)
撮影地:北海道石狩郡
撮影者:大野 泰之

<講評>
昼間、林の中を飛ぶエゾモモンガの作品ですが、こんな光景を撮影するのはとてもむずかしいものですがうまく捉えられています。エゾモモンガの行動パターンを熟知してできた作品だと思います。

「夜明けのLOVE」(イトトンボ)
「夜明けのLOVE」(イトトンボ)
撮影地:埼玉県さいたま市浦和区
撮影者:鈴木 ひろみ

<講評>
イトトンボが蓮の花に群がる綺麗でめずらしい作品だと思います。この作品は花の割合が大きくなっていますが横位置でもう少しイトトンボをアップに狙ってみるのもよかったように思います。

「飛翔」(アサギマダラ)
「飛翔」(アサギマダラ)
撮影地:徳島県美馬市脇町
撮影者:東野 裕也

<講評>
アサギマダラの飛翔を逆光でうまく写し撮られた作品です。草花とアサギマダラ、そして空のバランスがいいです。

「森のアイドル」(エゾモモンガ)
「森のアイドル」(エゾモモンガ)
撮影地:北海道帯広市
撮影者:嶋田 茂春

<講評>
エゾモモンガのかわいい表情が素敵です。夜行性で撮影条件も悪い中、かわいい表情がバッチリととらえられております。左右、上下のバランスをもう少し調整してもよかったように思います。

「子育て」(オオルリ)
「子育て」(オオルリ)
撮影地:東京都三頭山
撮影者:渡辺 邦昭

<講評>
オオルリの給餌の様子が素晴らしいタイミングでとらえられています。一斉に開いたヒナの口を捕らえたタイミングが素晴らしいと思います。

「まぶしい朝」(エゾモモンガ)
「まぶしい朝」(エゾモモンガ)
撮影地:江別市野幌森林公園
撮影者:平野 好恵

<講評>
エゾモモンガの昼間の行動を見るのも珍しいのですが、それをバッチリ真下からとらえた面白い作品です。小枝の雪が散って画面に不思議な効果が出ています。

「プロローグ・・・。」(オシドリ)
「プロローグ・・・。」(オシドリ)
撮影地:北海道札幌市
撮影者:石塚 佳子

<講評>
オシドリ夫婦がくつろぐ様子を素晴らしいタイミングで作品にされています。水に写りこんだところもいいですね。上のスペースをもう少し切り詰めるか、横位置で狙ってもよかったように思います。

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子ども部門賞(4点)

「霧に佇むトキ」(トキ)
「霧に佇むトキ」(トキ)
撮影地:新潟県佐渡市
撮影者:常川 大樹(13歳)
「枝で休むオニヤンマ」(オニヤンマ)
「迫力」(ニホンカナヘビ)
撮影地:宮城県 県民の森
撮影者:遠藤 柚樹(12歳)
「Who are you?」(エゾリス、エゾフクロウ)
「ピンクのバッタ」(バッタ)
撮影地:網走国定公園
撮影者:関 碧衣(10歳)
「はねかわかしてせんたくもの」(ウミウ)
「氷上のツルシギ」(ツルシギ)
撮影地:渡良瀬遊水地
撮影者:上田 浩樹(13歳)

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佳作(19点)

「ヘビの戯れ」(ヘビ)
「ヘビの戯れ」(ヤマカガシ)
撮影地:出雲市口宇賀町田伏山山麓大谷川流域
撮影者:大福 利彦
「興味津々」(キタキツネ)
「興味津々」(キタキツネ)
撮影地:北海道旭川市
撮影者:坂口 正剛
「一妻夛夫」(タマシギ)
「一妻夛夫」(タマシギ)
撮影地:兵庫県加古郡稲美町 新池
撮影者:三木 敏史
「渡去群」(アトリ)
「渡去群」(アトリ)
撮影地:鳥取県大山町 大山登山道(行者道)標高1200m付近
撮影者:宇田川 洋二
「ひと休み」(ショウジョウトンボ)
「ひと休み」(ショウジョウトンボ)
撮影地:新宿御苑
撮影者:富永 賢
「飛翔」(オシドリ)
「飛翔」(オシドリ)
撮影地:神奈川県横浜市 ならやま公園
撮影者:鈴木 邦彦
「自慢のおみ足」(セイタカシギ)
「自慢のおみ足」(セイタカシギ)
撮影地:兵庫県稲美町 加古大池
撮影者:谷口 亮介
「イソギンチャクのカーテンからこんにちは」(カクレクマノミ)
「イソギンチャクのカーテンからこんにちは」(カクレクマノミ)
撮影地:西表島近海
撮影者:細谷 えり奈
「かかってこいや!」(オオカマキリ)
「かかってこいや!」(オオカマキリ)
撮影地:千葉県佐倉市六崎
撮影者:髙橋 豊
「愛のリレー」(ツミ)
「愛のリレー」(ツミ)
撮影地:埼玉県坂戸市
撮影者:大野 雅之
「荒天の悪戯」(アオバト)
「荒天の悪戯」(アオバト)
撮影地:北海道留萌郡小平町
撮影者:東海林 勇
「まどろみ」(エゾフクロウ)
「まどろみ」(エゾフクロウ)
撮影地:北海道阿寒郡鶴居村
撮影者:漆原 一貴
「行っくよー!」(エゾモモンガ)
「行っくよー!」(エゾモモンガ)
撮影地:江別市野幌森林公園
撮影者:浅野 綾子
「慈愛」(タンチョウ)
「慈愛」(タンチョウ)
撮影地:根室市風蓮湖
撮影者:及川 文
「熱心なお誘い」(オオヨシキリ)
「熱心なお誘い」(オオヨシキリ)
撮影地:茨城県守谷市
撮影者:ドゥロモンド 太良
「口の中で踊る虫」(ヤツガシラ)
「口の中で踊る虫」(ヤツガシラ)
撮影地:合志市恵楓園地
撮影者:安藤 博人
「暁に翔ぶ」(オジロワシ)
「暁に翔ぶ」(オジロワシ)
撮影地:知床国立公園
撮影者:野村 真輝
「肝っ玉母さん」(カルガモ)
「肝っ玉母さん」(カルガモ)
撮影地:さいたま市 白幡沼
撮影者:齋藤 尚夫
「厳寒に生きる」(ビニヒワ)
「厳寒に生きる」(ベニヒワ)
撮影地:札幌市南区
撮影者:田中 かおり

※写真の無断掲載を禁じます。


「野生動物写真コンテスト~自然界に生きる野生動物たち~」は、次の皆様のご協力をいただいて開催しております。(敬称略・50音順)

【後援】
  • 朝日新聞社
  • 環境省
  • 全日本写真連盟
  • WWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)
【協賛】
  • 富士フイルムイメージングシステムズ株式会社