第13回 野生動物写真コンテスト 入賞作品(令和4年度)

入賞作品が決定しました!

 今回のコンテストでは、全国から素晴らしい作品を多数ご応募いただきました。誠にありがとうございました。
 厳正な審査の結果、応募作品の中から選ばれた入賞作品を発表いたします。
 入賞者のお名前は、敬称を略させていただきました。


【総評】
 2022年末にコンテスト応募作品審査が厳正に行われました。3年ぶりのコンテストで今回からオンラインによるデジタルデータでの応募方法に切り替えられました。多少混乱もあったようですが153名の方から578点の応募がありました。審査は環境省や自然公園財団など各方面から計6名の方々が集まり進められました。自然公園財団という立場から禁止区域等で撮影されたと思われる作品や外来生物の作品、また鳥などの営巣を間近で撮影した写真等は審査対象外とされました。
 沢山の作品の中から投票の結果、今回の最優秀賞は石塚佳子さんの躍動感溢れるオシドリが選ばれました。全体的に言えることですが、上位に選ばれる作品は画面構成や色使いがシンプルで、作品のポイントとなる被写体が明確に表現されていて写真に力強さがあります。煩雑な画面の作品では写真の訴える力が弱くなります。また写したいメインの被写体のみならず、周辺や背景も作品の出来栄えに重要な役割を持っていますのでその点を注意して作品作りをして下さい。写真コンテストは作品の競争の場です。シンプルで仕上がりの良い作品が多くの人の目を引きます。

 次回も沢山の作品を拝見できることを楽しみにしています。

動物写真家 浅尾 省五

| 最優秀賞・環境大臣賞 | 優秀賞 | 入選 | 子ども部門賞 | 佳作 |

最優秀賞・環境大臣賞(1点)

最優秀賞・環境大臣賞

「男の闘い」(オシドリ)
撮影地:北海道札幌市円山公園
撮影者:石塚 佳子

<講評>
世界で最も美しいカモといわれるオシドリ。普段は優雅に行動していますが時として激しく争うことがあります。2羽の雄が水際で激しく争う瞬間を見事に写し止められた躍動感ある素晴らしい作品です。オシドリの羽根、足元の波、空中を舞う水しぶきがその激しさを演出しています。

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優秀賞(3点)

環境省自然環境局長賞

「空中散歩」(エゾモモンガ)
撮影地:北海道帯広市
撮影者:漆原 一貴

<講評>
夜行性のエゾモモンガを日中に見ること自体が大変なのに、2匹のモモンガが編隊飛行する一瞬を一枚の画面に写し込むことは至難の業。エゾモモンガの習性を熟知した作者が行動パターンを先読みして得た力作です。

子ども部門賞・田中光常記念賞

「飛行点検中」(シオカラトンボ)
撮影地:福岡県北九州市若松区響町 響灘ビオトープ
撮影者:安藤 大河

<講評>
枯草の先にとまったシオカラトンボを真正面から狙い、頭をカチッと止め、羽根の動きを的確に写した素晴らしい作品です。小学生でここまで写せるのは立派です。

自然公園財団理事長賞

「雪の華」(ベニマシコ)
撮影地:岐阜県羽島郡笠松町
撮影者:森 真弓

<講評>
淡い雪の画面の中に3羽のベニマシコをうまく配置し、一羽が羽ばたく瞬間をいいタイミングでとらえた作品です。雪を楽しむかのようなベニマシコたちの喜びの声が聞こえます。

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入選(5点)

「最後の輝き」(サクラマス)
撮影地:北海道清里町“さくらの滝”
撮影者:岩永 雅弘

<講評>
今回も多くのサクラマスの滝登りの応募があった中で、赤く色づいたサクラマスが激しく流れ落ちる滝を登ろうと力強くジャンプするこの作品が選ばれました。水しぶき、赤いサクラマスの躍動感は自然の息吹を感じます。

「編隊飛行」(ミナミハンドウイルカ)
撮影地:東京都御蔵島
撮影者:廣瀬 元也

<講評>
ミナミハンドウイルカの編隊が一斉に作者に向かってくる光景を素晴らしいタイミングで作品にされています。ブルーの深海と太陽の照る水面の間にバランスよくイルカたちが並んでくれています。難しい水中での撮影に成功した一枚と思います。

「バンザイ」(ラッコ)
撮影地:北海道浜中町(霧多布岬)
撮影者:佐藤 章

<講評>
北海道の洋上に浮かぶラッコの親子。何とも微笑ましい光景です。チビちゃんがお母さんの胸元で安心しきって寝ている姿は人間のそれを感じます。こういう自然の姿は誰が見てもいいものですが、そういう場面を見つけ、きちっと写し止めるのは作者の高い技量です。

「冬支度」(エゾナキウサギ)
撮影地:北海道 大雪山国立公園
土屋 幸子

<講評>
高山の岩場に生息するエゾナキウサギはとても小さく、探すだけでも大変です。本格的な冬を前にエゾナキウサギが雪上を走りながら一生懸命貯食する姿を真正面から見事にとらえた作品で撮影時の苦労を察します。普通の人ではなかなか撮れないすご技を持った方と察します。

「詰め放題」(エゾシマリス)
撮影地:北海道標津郡中標津町
撮影者:䑓 なつみ

<講評>
晩秋、冬眠を控えたエゾシマリスは、巣材や食料を集めて巣穴に運び冬を越します。ホッペが満タンになったら巣に運びます。立ち上がっていよいよ巣に持って行こうとするその瞬間のかわいい表情を真正面から見事にとらえられています。画面構成も素晴らしく、リスの目の高さで狙ったのが成功していると思います。

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子ども部門賞 ※小学生以下(1点)

「ホオアカのこども」(ホオアカ)
撮影地:北海道石狩市 はまなすの丘公園
撮影者:本多 與志

佳作(10点)

「闘狐~遊び道具を巡っての衝突~」(キタキツネ)
撮影地:北海道中川郡幕別町
撮影者:前原 卓見
「興味津々」(エゾリス)
撮影地:北海道河東郡音更町
撮影者:荒井 慎吾
「責任の在処」(キクガシラコウモリ)
撮影地:滋賀県犬上郡多賀町,河内風穴
撮影者:森井 悠太
「真っ白な山の妖精」(オコジョ)
撮影地:北海道上川郡美瑛町
撮影者:斉藤 宏和
「立ち話」(エゾリス)
撮影地:北海道苫小牧市
撮影者:坂口 正剛
「我が家へ急ぐ」(エゾリスのアルビノ)
撮影地:北海道帯広市
撮影者:佐藤 恵美子
「同心円」(ヒメグモ)
撮影地:神奈川県足柄上郡中井町松本 蓮池の里
撮影者:小澤 宏
「興味津々」(クラゲの周りにハギ)
撮影地:静岡県沼津市大瀬 「伊豆大瀬崎」湾内
撮影者:谷口 常雄
「水浴びさっぱり」(メジロ)
撮影地:神奈川県秦野市 権現山バードサンクチュアリ
撮影者:渡辺 正彦
「静寂」(シャチ)
撮影地:北海道羅臼町
撮影者:川井 明弥美

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※写真の無断掲載を禁じます。


「野生動物写真コンテスト~自然界に生きる野生動物たち~」は、次の皆様のご協力をいただいて開催しております。(敬称略・50音順)

【後援】
  • 朝日新聞社
  • 環境省
  • 全日本写真連盟
  • WWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)