第12回 野生動物写真コンテスト 入賞作品(令和元年度)

入賞作品が決定しました!

 今回のコンテストでは、全国から素晴らしい作品を多数ご応募いただきました。誠にありがとうございました。
 厳正な審査の結果、応募作品の中から選ばれた入賞作品を発表いたします。
 入賞者のお名前は、敬称を略させていただきました。


【総評】
 年末年始に、コンテストの応募作品の一次審査、二次審査を行いました。今回は328名方から1,075点の応募がありました。内中学生以下の応募者が33名、88点でした。審査は環境省や自然公園財団ほか各方面から6名の審査員による投票で審査は進められました。自然公園財団という立場から禁止区域等で撮影されたと思われる作品や外来生物の作品、また鳥などの営巣を間近で撮影した写真は審査対象外とされました。
 沢山の作品の中から選考するのは大変でしたが皆さんの投票の結果今回の最優秀賞は、谷口たけ子さんのアザハタとアカシマシラヒゲエビのマウスクリーニングが選ばれました。全体的に言えることですが上位に選ばれる作品は、画面構成や色使いがシンプルで、作品のポイントとなる被写体が明確に表現されていて写真に力強さがあるということです。煩雑な画面の作品では写真の訴える力が弱くなります。また写したいメインの被写体のみならず、周辺や背景も作品の出来栄えに重要な役割を持っていますので注意して撮影をしてください。
 応募される作品のプリントも他の方との競争の場ですから仕上がりの良い作品が優位となります。

 次回も沢山の作品を拝見できることを楽しみにしています。

動物写真家 浅尾 省五

| 最優秀賞・環境大臣賞 | 優秀賞 | 入選 | 子ども部門賞 | 佳作 |

最優秀賞・環境大臣賞(1点)

最優秀賞・環境大臣賞

「マウスクリーニング」(アザハタ、アカシマシラヒゲエビ)
撮影地:奄美群島国立公園
撮影者:谷口 たけ子

<講評>
ドキッとする素晴らしい作品です。
アカシマシラヒゲエビが大きな口を開けたアザハタの口の前で、今にも食べられてしまいそうな様子ですが、実は共生関係でアザハタの口のクリーニングをしています。至近距離から迫力ある構図で見事に写しとめられています。

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優秀賞(3点)

里地里山里海部門賞・環境省自然環境局長賞

「寒雀」(スズメ)
撮影地:福井県越前町
撮影者:林 昌尚

<講評>
雪の降る中、たくさんの雀たちが一本の木に群がった人里の光景。雪の感じや寒そうな雀たちの表情が良く出ている素晴らしい作品です。

子ども部門賞・田中光常記念賞

「捕食者」(ヤマカガシ、タゴガエル)
撮影地:佐賀県唐津市七山 樫原湿原
撮影者:土屋 昌寛

<講評>
草むらでタゴガエルを捕らえたヤマカガシが得意そうにしている瞬間を最適な位置から写しとられています。周囲の緑の葉も大きく効果を出しています。中学生以下の作品とは思えない素晴らしい出来映えです。

自然公園財団理事長賞

「闘」(アオサギ)
撮影地:大阪府岸和田市内 久米田池
撮影者:中村 満

<講評>
2羽のアオサギが争う姿を画面いっぱいに構成した作品で迫力のある仕上がりになっています。それぞれのアオサギの形も面白い瞬間です。

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入選(10点)

「赤渕めがねのカニ」(サワガニ)
撮影地:和歌山県 有田郡
撮影者:野尻 ひかり

<講評>
岩陰から警戒しながらそーっと覗くような、ほほえましいサワガニの写真です。大きなハサミの配置や色バランスも素晴らしい作品です。

「トキ色」(トキ)
撮影地:新潟県佐渡市秋津
撮影者:渡邉 正孝

<講評>
佐渡の野生のトキの着地する瞬間をベストタイミングで写しとめた作品です。斜めから差し込む光が羽のトキ色と、その立体感を出している素晴らしい作品です。

「冬支度」(エゾシマリス)
撮影地:北海道 雌阿寒岳
撮影者:松尾 咲子

<講評>
緑の高山植物に囲まれた中で食事をするエゾシマリスの優しい表情をいいタイミングで写しとめられています。作者の優しい心が表れた素晴らしい作品です。

「遊泳」(アカエイ)
撮影地:福岡市西区今津干潟
撮影者:南 順子

<講評>
アカエイが正面から向かってくるドキッとする作品です。水中からにらみつけるような目と波しぶきがスッキリとした画面の中で光っている素晴らしい作品です。

「家族の輪」(オシドリ)
撮影地:北海道札幌市 円山
撮影者:石塚 佳子

<講評>
生まれたばかりのオシドリの雛たちが母親のそばで休んでいる様子が水面に映ったほほえましい作品です。作品がもう少し明るめに仕上がっていたらもっと良かったと思います。

「作戦会議中」(ミゾレウミウシ)
撮影地:沖縄県 渡嘉敷島
撮影者:谷澤 俊介

<講評>
かわいい目と口をした2匹のミゾレウミウシが話し合うような形で向き合っている珍しい写真です。美しい珊瑚の中で白いミゾレウミウシの形も良くバランスのとれた素晴らしい作品です。

「家路」(ニホンザル)
撮影地:長野県松本市上高地
撮影者:菅野 寛人

<講評>
水から上がった6匹のサルが木を登る面白い瞬間を写された作品です。高いところから皆の動きを見守るようなボスざる?も面白い。

「カエルのおうち」(アマガエル)
撮影地:栃木県宇都宮市 若竹の杜
撮影者:八島 満彦

<講評>
竹の木にあいた小さな穴に潜む2匹の蛙をよく見つけ作品にされています。竹の節目と穴の形、その中の2匹の蛙まで素晴らしい構成です。竹の明るい部分をもう少し暗くしても良かったかなと思います。

「優刻」(タンチョウ)
撮影地:北海道根室市 風蓮湖
撮影者:及川 文

<講評>
夕陽の湖の畔でタンチョウの親子が向かい合うのどかで美しい写真です。画面構成から見てタンチョウが少し弱いような気がします。もう少しタンチョウを大きく扱ってみても良かったと思います。

「スマイル」(アマガエル)
撮影地:愛知県愛西市森川 花はす田
撮影者:岩田 治子

<講評>
とてもシンプルな画面構成の中、緑、ピンクそしてシロの3色で構成された美しく大胆な構図。
その中に小さく一匹のアマガエル休んでいる素晴らしい作品です。全体のレイアウトをもう少し工夫されたらもっと上位の入選になったと思います。

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子ども部門賞 ※中学生以下(4点)

「親鳥はおおいそがし」(ホオアカ)
撮影地:北九州市若松区 響灘ビオトープ
撮影者:安藤 大河
「バンの子育て」(バン)
撮影地:群馬県館林市
撮影者:上田 浩樹
「アイヌの森のユク」(エゾシカ)
撮影地:北海道釧路市阿寒町 阿寒湖畔遊歩道
撮影者:齋藤 柚希
「妖精たちのバトル」(シマエナガ)
撮影地:北海道札幌市 旭山記念公園
撮影者:藍沙

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佳作(20点)

「捕らえる」(ミサゴ)
撮影地:長野県諏訪市
撮影者:伊藤 隆
「カルテット」(シャチ)
撮影地:北海道 知床 羅臼
撮影者:長嶋 里奈
「ガメラ現る」(アオウミガメ)
撮影地:沖縄県 慶良間諸島
撮影者:南部 和毅
「あれっ?スズメじゃない!」(スズメ、ホオジロ)
撮影地:京都府綾部市青野町 由良川花庭園
撮影者:桜木 邦子
「幸せな刻」(ムクドリ)
撮影地:東京都品川区 勝島運河
撮影者:石原 雅子
「かくれんぼ」(ヒグマ)
撮影地:北海道 知床国立公園
撮影者:漆原 一貴
「飛翔」(ダイサギ)
撮影地:京都府久御山町 名木川
撮影者:城田 祥男
「霧雨の中でお食事」(エゾリス)
撮影地:北海道札幌市 円山公園
撮影者:大橋 明美
「花ツムギ」(エゾナキウサギ)
撮影地:北海道 大雪山国立公園
撮影者:土屋 幸子
「翼を連ねて」(セイタカシギ)
撮影地:沖縄県石垣島
撮影者:菅原 恵子
「静寂」(チョウトンボ)
撮影地:三重県員弁郡東員町 万助溜公園
撮影者:辻 春代
初めての雪景色(エゾナキウサギ)
撮影地:北海道 大雪山国立公園
撮影者:大熊 弘一
「お昼寝日和」(ニホンザル)
撮影地:長野県 中部山岳国立公園 上高地
撮影者:市川 亜沙美
「癒しの眼差し」(シマエナガ)
撮影地:北海道 苫小牧 北大研究林
撮影者:坂口 正剛
「森の翡翠」(アブラゼミ)
撮影地:長野県 中部山岳国立公園 上高地
撮影者:小口 貴広
「幸せのとき」(メジロ)
撮影地:北海道苫小牧市植苗 ウトナイ湖サンクチュアリ
撮影者:大谷 重夫
「銀のダンス」(ギンヤンマ)
撮影地:秋田県能代市 風の松原
撮影者:坂本 誠
「高山に生きる」(ライチョウ)
撮影地:岐阜県 乗鞍岳
撮影者:山内 裕美
「誕生を待つ」(ウロコアシナガグモ)
撮影地:石川県 森林公園
撮影者:根来 尚
「寒い日のナナカマドにて」(キレンジャク)
撮影地:北海道札幌市手稲区 前田森林公園
撮影者:本多 純

※写真の無断掲載を禁じます。


「野生動物写真コンテスト~自然界に生きる野生動物たち~」は、次の皆様のご協力をいただいて開催しております。(敬称略・50音順)

【後援】
  • 朝日新聞社
  • 環境省
  • 全日本写真連盟
  • WWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)
【協賛】
  • 富士フイルムイメージングシステムズ株式会社