第14回 野生動物写真コンテスト 入賞作品(令和5年度)

入賞作品が決定しました!

 今回のコンテストでは、全国から素晴らしい作品を多数ご応募いただきました。誠にありがとうございました。
 厳正な審査の結果、応募作品の中から選ばれた入賞作品を発表いたします。
 入賞者のお名前およびニックネームは、敬称を略させていただきました。


【総評】
 2024年年初にコンテスト応募作品審査が厳正に行われました。昨年からオンラインによるデジタルデータでの応募方法に切り替えられ202名の方から664点の応募がありました。小学生以下の応募者が8名、22点でした。審査は環境省や自然公園財団など各方面から計5名の方々が集まり進められました。自然公園財団という立場から禁止区域等で撮影されたと思われるものや、外来生物の写真、また鳥などの営巣を間近で撮影した写真等は審査対象外とされました。
 沢山の作品の中から投票による審査の結果、今回の最優秀賞は松山由美さんのカンムリカイツブリの親子が選ばれました。毎回言っていることですが、上位に選ばれる作品は画面構成や色使いがシンプル、作品のポイントとなる被写体が明確に表現されていて写真に力強さを感じます。また写したいメインの被写体のみならず、周辺や背景も作品の出来栄えに重要な役割を持っています。写真コンテストは作品の競争の場です。シンプルで仕上がりの良い作品が多くの人の目を引きます。その点を注意しながら作品作りをしてみて下さい。次回も沢山の作品を拝見できることを楽しみにしています。

動物写真家 浅尾 省五

| 最優秀賞・環境大臣賞 | 優秀賞 | 入選 | 子ども部門賞 | 佳作 |

最優秀賞・環境大臣賞(1点)

最優秀賞・環境大臣賞

「大きな愛で」(カンムリカイツブリ)
撮影場所:滋賀県
撮影者:松山 由美

<講評>
カンムリカイツブリのお母さんが羽ばたいたその翼下に2羽のヒナがいるとても珍しい作品です。母鳥の形もよく、真正面からベストの瞬間をとらえています。画面全体のシンプルさがより力強く感じる作品にしています。

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優秀賞(3点)

環境省自然環境局長賞

「纏う」(ミヤマアカネ)
撮影場所:京都府
撮影者:小田 幸司

<講評>
晩秋の寒い早朝、ミヤマアカネの体や羽に美しく結露した光景をとらえたとても珍しい作品です。クローズアップの度合いも素晴らしく美しさと迫力、そして生命力を感じる素晴らしい力作です。

子ども部門賞・田中光常記念賞

「鹿と湯ノ湖」(ニホンジカ)
撮影場所:栃木県
撮影者:村山 結香
小学6年生(12歳)

<講評>
背景の空と山、それを写す湖面。そこにシカがたたずむ姿をベストの位置に配置した一枚です。鹿もおびえることなく安心した自然体です。小学生でこれだけ素晴らしい作品が写せるのはすごい技量です。

自然公園財団理事長賞

「自慢の嘴」(ヘラサギ)
撮影場所:北海道
撮影者:藤本 卓哉

<講評>
普段なかなか見ることのないヘラサギ。その群れに出会えたのはとてもラッキーです。そんな偶然の出会いを素晴らしい作品にできるのも作者の高い技量です。背景やヘラサギの語り合っているような一瞬の表情も素晴らしいです。

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入選(5点)

「母川回帰」(サケ)
撮影場所:北海道
撮影者:東海林 勇

<講評>
背景に国後島を配置し、荒波の中を泳ぐサケの群れを見事に写した作品です。サケが河口で川に遡上する準備をしている時の光景ですが、その時に風があり、波が荒くなければ見られません。まるで水族館の水槽を見ているような自然のサケの素晴らしい力作です。

「大雪山に抱かれて」(キタキツネ)
撮影場所:北海道
撮影者:秋山 ゆき子

<講評>
雄大な大雪山の草原で母の帰りを待っているのか子狐が昼寝をするかわいい姿にうっとりさせられる作品です。静かで平和な世界が続きますように。

「卵を抱く」(モンハナシャコ)
撮影場所:沖縄県
撮影者:谷口 たけ子

<講評>
海中でモンハナシャコが卵を抱いている美しく珍しい作品です。水の中では位置取りもむつかしく、その上警戒心の強いモンハナシャコを見事にとらえられています。

「オコジョのきょうだい」(エゾオコジョ)
撮影場所:北海道
撮影者:土屋 幸子

<講評>
2匹の子供のオコジョがそろって巣穴から顔を出すとても珍しい作品です。作者の並々ならぬ我慢と努力、その上に幸運があったお陰で得られた一枚だと察します。構図もピントも文句のない力作です。

「タイムトラベラー」(ベニクラゲ)
撮影場所:鹿児島県
撮影者:齋藤 有弘

<講評>
ダイビング中の海で大きさ1センチほどの生物をこれほどまでに写し止められるとは凄腕の水中写真家と察します。暗い背景に浮かぶベニクラゲは見たことのない神秘さで宇宙を思わせる素晴らしい作品です。

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子ども部門賞(4点)

「公園の門番」(モズ)
撮影場所:神奈川県
撮影者:岩瀬 一馬
「森のゴジュウカラ」(ゴジュウカラ)
撮影場所:北海道
撮影者:本多 與志
「アオサギVSタウナギ」(アオサギ、タウナギ)
撮影場所:東京都
撮影者:すずめ
「水面にうつる美しき姿」(シラサギ)
撮影場所:大阪府
撮影者:春名 柚弦

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佳作(8点)

「雲を泳ぐ」(アオウミガメ)
撮影場所:鹿児島県
撮影者:くらげねこ
「静寂」(フクロウ)
撮影場所:長野県
撮影者:近藤 雄一
「秋日和」(メジロ)
撮影場所:北海道
撮影者:坂井 伍一
「お母さんと一緒」(ミナミハンドウイルカ)
撮影場所:東京都
撮影者:田中 弘文
「巣材集め」(ツバメ)
撮影場所:埼玉県
撮影者:小澤 一男
「桜と翡翠」(カワセミ)
撮影場所:神奈川県
撮影者:田中 篤
「ミサゴの魚獲り」(ミサゴ)
撮影場所:埼玉県
撮影者:小林 正康
「ひとやすみ」(アオウミガメ)
撮影場所:沖縄県
撮影者:岸谷 千恵子

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※写真の無断掲載を禁じます。


「野生動物写真コンテスト~自然界に生きる野生動物たち~」は、次の皆様のご協力をいただいて開催しております。(敬称略・50音順)

【後援】
  • 朝日新聞社
  • 環境省
  • 全日本写真連盟
  • WWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)